0.1の真実と100の愛

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片付け終わったというよりも、荷物のなさすぎる大翔の机には電話機と飴の入った３つの入れ物、それからいとこんちで撮った2人の写真だった







『うわ、飾ってる』

「え、なに。ダメ？」

『そんなことないけど…恥ずかしい』

「まだ若かったもんね〜」

『おばさんみたいな言い方！』

「17にしか見えないけど？」

『童顔だって言うの!? ホンット、そういうとこだよ!!』

「そうだぞ、深山。白樺の童顔は今に始まったことじゃないだろ」

『明石さんは黙ってて！』

「はい」














私と大翔、明石さんの会話を聞いて3人が固まっている
こっちだって驚いてるよ！みんながこの事務所にいるのや、パラリーガルやら弁護士やらになってるなんてね！











「すみません、引っ越しでバタバタだと思いますけど事件の概要です」











パラリーガルの戸川さんという女性の方が事件の資料を配ってくれた。ちなみに、戸川さんというのは明石さんから聞いたのだ




大翔の分の資料も受け取ってすぐに手渡すと「都内で運送業を営む赤木義男さんが殺人容疑で逮捕されました」と戸川さんが資料に書いていることを簡単に読み上げてくれる










「被害者は流通業界の風雲児として有名な、ネットショップmaxVの社長、塙幸喜さん。赤木さんは事件の夜、酒に酔っていて記憶がなく、事件への関与を否定しています」











ホワイトボードに被害者と被疑者の写真が貼ってあるが、資料にも同じようなことが書いてある
そして、資料を見つめていた大翔が「行ってきます」と席を立った








「先生？」

「どこに行くんです？」










戸川さんとパラリーガルの藤野さんが大翔に声をかけると「接見ですけど」と当たり前のことをなんで聞くの？みたいな顔をした大翔








「あのこれって、赤木さんが逮捕される前に公開捜査になってますよね？」

「はい」

「あ、ね、キミ。僕が戻ってくるまでに、公開されてる防犯カメラの映像用意しておいてもらえる？」

「私、接見に行きますけど」

「弁護士？」

「弁護士です」

『なんでさっきの私と立花さんのやりとり聞いてないの』

「え、僕に関係ないから」

『はぁ…』









ため息を吐いているとずっと片付けをしていたアッシュが「英二、これを頼む」と資料をオックンに渡していた











「じゃあ、パラリーガルの人？」

「あ、はい」

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