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カバンから出したスマホを渡すと、大翔はニヤニヤしたままスマホを見せつけた
「何こんなところまで来てるんだ。電話ぐらい買ってやるよ」
「どうも」
「キミたちのために優秀な部下をつけようと思ってね」
「深山、大翔です」
『白樺瑞姫と言います』
ペコっと頭を下げると「お前ら、弁護士だったのか」と驚いた顔でこちらを見てくる
「深山、大翔です」
『何回もいいよ、大翔』
ポケットから弁護士バッジを取り出して自己紹介する大翔に小突くと、「それより、佐田くん」と斑目さんが勝手おじさんに声をかけた
「彼は、どこに?」
「もうすぐ来ると、思うんですが…」
「お客さんを待たせるなんてね」
『?』
「誰ですか?」
「あぁ…キミたちと同じで優秀な弁護士だよ」
2人「?」
私と大翔が目を見合わせて首を傾げているとガチャリとドアが開いた
「あぁ、来た来た。遅いよ」と斑目さんがドアの方を見た
「すみません、別の案件で立て込んでて」
『(ヒュッ』
低い優しい声。ほのかに香る優しくて温かい匂い、頭が痺れるほどのそれらをいつも私にだけ向けてきてくれた人
「紹介するよ。彼はアスラン・J・カーレンリースくん。刑事事件と民事、どちらもできるプロフェッショナルだ」
「どうも。深山大翔です。こちらは」
ギュッ
「…?瑞姫?」
自己紹介をする大翔の後ろで私が上着を掴んで震えているのに「どうしたの?」と聞いてくる
無言で首を横に振ると、大翔は「無理?」と聞いてくる
無理ではない、だけど…勇気がない
パクパクと口を動かすと「わかった」と汲み取ってくれたのか頷いてくれた
「僕の後ろにいる子は僕と同じ弁護士です。今はちょっと無理みたいなので、またあとで自己紹介させていただきますね」
「え?あ、あぁ…俺はアスラン・J・カーレンリースだ。みんな、アッシュと呼ぶ。そう呼んでくれ」
「わかりました」
「深山先生、でいいですか?」
「あぁ、敬語も別にいいですよ。堅苦しそうですし」
「あ、あぁ…わかった」
震えている手を取った大翔は「大丈夫だよ」と私にしか聞こえない声で言う
大翔は私の顔が見えないように斑目さんに振り返ると「じゃあ、失礼します」と言って私の肩を抱いて歩き始めた
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サッカーバカ(プロフ) - 雅夢羅撫-ayurana-さん» ありがとうございます!アッシュの登場でさらに楽しい物語になれるよう頑張ります! (2022年1月24日 14時) (レス) id: b3a011a5a0 (このIDを非表示/違反報告)
雅夢羅撫-ayurana-(プロフ) - 続編おめでとうございます!アッシュが出てくるのが楽しみで楽しみでワクワクが止まりません(*´ ꒳ `*)これからも更新頑張ってください! (2022年1月23日 12時) (レス) @page11 id: 3b30b9715e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月20日 8時