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「ユージンの墓参り、あとどれぐらい？」
「あと……20分ぐらいじゃないか？」
「ホント、1時間で喋り終えるってなかなかだよね…
まあいいや、サーベル、バイヤーに連絡して2ダース用意させて」
「わかった」
「オルガ、あのクソ親父の動きは？」
「昼間にユーリーアスの店に行ってレオンと対峙したって、レイに聞いたぜ」
「あのジジイホント死に損ないのくたばり損ないが…」
穏やかな顔が一気に引き締まった途端、『あのジジイのことは忘れろって言ったの、忘れた？』という、俺の大好きな声が聞こえてきた
「「レオン!!」」
「レオン、お前」
『マリアさんから聞いた。アッシュがサーベルに会ったって
…別にドブネズミの巣に連れて来なくてもよかったでしょ』
「別に…。ユージンを超える奴がいるとは思えないから連れてきただけ」
『…つまり、アッシュをリンチにしようとしたわけね…』
「は？なんで…」
『言っとくけど、お前ら』
俺の疑問に返さず、中に入ってきたレオンは冷えた瞳を向けた
それは俺にじゃなく、この建物の中にいる人間に向けられている
『アッシュに手を出すって言うなら…こっちもそれ相応のことをする
昔の仲間だったとしてもだ…』
「っ」
「……」
『ケイト、その辺のことわかってるでしょうね
ユージンが守れって言った掟も全部』
「…もちろんだよ。俺にとってレオンもユージンも、今でも憧れなんだから…2人が守ってきた掟は俺にとっても大事な掟だよ」
『…サーベル、勝手なマネすんな…ここのボスは誰だ？お前じゃない、ケイトだろうが』
「…はい」
『他のやつもだ。ケイトの命令がたとえアッシュをいたぶれということであっても、常にユージンの言っていた「掟」を思い出せ
人として当たり前のことをしろ、ユージンに恥をかかせるな』
「「はい」」
今まで見たことのない威圧的な声と言葉
俺に言っているわけではないのに、俺にまで言っているように聞こえてくる
「…ねえ、レオン…。どうして戻ってきたの？」
『…理由なんかないよ…』
「もう戻らないって言ってたよね…やっぱ、ユージンのこと？」
『…………………アッシュ、戻ろう』
「あ、あぁ…」
俺の手を引いて建物から出たレオンは、ずっと何も話さなかった
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月5日 11時
