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『……………………貴様ッ』
怒りで目の前が真っ赤になると、「落ち着け、レオン」とショーターが言う
…そうだ、本当に辛いのは私じゃない、ショーターだ
言われた通り、落ち着くためにソファに座り直した
部屋の中を見回せば、見覚えのある部屋で思い出したくもないものが蘇ってくる感覚に陥る
「お前はなぜここにいる？」
「僕も君たちと同じ立場さ。兄がチャイナタウンの友好の証として僕をここへよこした」
「…ふん、哀れなもんだな。道具に使われてよ」
「貴様！」
「いいよ、本当のことだ」
まだ頭がクラクラするのと手指が思うように動かせないことにもどかしさを感じていると、部屋のドアが開けられた
『……………ディノ…』
部屋に入ってきたのは、ディノ、オーサー、ディノの部下、そして華龍だった
ディノはショーターを見ると、「会うのは初めてだな、ショーター・ウォン」と見下すように見つめたあと、部下たちがショーターを取り押さえた
『ショーター…っ！』
ショーターが取り押さえられ、丸腰になった英二を守るように引き寄せれば「よぉ、レオン」とオーサーが楽しげに鼻で笑いながらこちらを見ている
『オーサー…貴様…ッ』
後頭部を殴られてぐったりとするショーターを見た後、私を見て楽しげにするオーサーに今できる限りの睨みを精一杯する
「これは我々の末弟、月龍です」
「なんと…。あまりに美しいので女性だとばかり」
「お気に召しましたら、お側で使って頂いて結構だと、兄が」
「ほう…。わかりました、大切な客人としてお預かりしましょう」
そんなことよりも、英二の方が心配だ
私が気絶している間、何かされていないか見える範囲で英二の体を確認すると「月龍、彼を起こせ」と命令されたユーシス…いや、月龍がこちらに歩み寄る
英二を渡さないように力強く抱きしめれば、「…ただ気絶してるだけ、僕は彼に何もしてないよ…ショーターが守っていたからね」と月龍はそう言った
「…彼を起こすだけだ…大丈夫、命は奪わないよ」
『…信じれるわけない…お前はショーターを脅したんだ…』
「…約束するよ」
『……………………………』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月5日 11時
