13-7 ページ42
「私は科学者だ。未知の発見を無に帰してしまうことは、できなかった」
見苦しく言い訳をするコイツに俺は耐えきれずに殴りかかろうとすると、「待て！」とマックスが俺の右手を掴んで止めてきた
「放せよ！こいつを殴らねぇと気がすまねぇ!!」
「そうじゃない…俺にやらせろ！」
俺の代わりにストレートを入れたマックスに俺は目を見開き、呆然としているとフラついた博士を支えたのは、伊部だった
「俊一！」
まだ辛そうな伊部は、博士の体を離して笑うと全力で殴り込んだ
「これは、英二の分だ！」
そのままバランスを崩して床に倒れた伊部を見ながら、「ディノ・ゴルツィネの大いなる陰謀か…」とマックスは深刻そうに言う
「もし合衆国が後ろ盾になれば、奴は暗黒街のトップに躍り出るというわけだ」
「…！しまった！」
「ん？」
物音に気付き、入り口の方に顔を向ければ「役者が揃ったようだな。お前たちをニューヨークまでお送りするぜぇ」というサングラスをかけた李家の手先が現れた
「…ケッ、大げさだな」
「口の利き方には気をつけろよ、小僧」
「俊一！」
「…チッ」
伊部の肩に手を回した男に舌打ちをし、俺たちは腕に拘束帯をはめられていく
だが俺以外の3人は前に拘束帯をはめられ、俺だけ後ろ手に拘束帯をはめられた
「おい、なんで俺だけ後ろなんだよ！
これじゃションベンもできねーよ！」
不平を訴えると、サングラスの男が俺の前に立ち、バッとシャツをめくってきた
突然のことに驚きながら、俺はしまったと心の中でつぶやく
服の内側に挟んで隠していた2丁の銃がバレてしまった
「ほう…いいモチモノだな？え？小僧！」
男が銃を握り込み、そのまま抜き取って俺の頬を叩きつけた
そのまま倒れた俺の腹に思い切り蹴りを入れてきて、体を丸めて咳をする俺を見て面白そうに笑っている
「よせ、殺す気か!?」
「そのお楽しみは、ムッシュウ・ゴルツィネが予約済みだ…お前と…あの綺麗なレオン、クラウンとな…」
「ッ!!?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月5日 11時
