13-2 ページ37
「………戻ったら話がある…いいか？」
『…うん』
「それまで、待っててくれ」
『……アッシュ』
「ん？」
歩き出そうとしたアッシュに呼びかけ、振り返ったアッシュになんと声をかければいいのかわからない
この状況で何を言えばいいのか分からず、少し目を伏せた後
『絶対、戻ってきてね』
「…あぁ、約束する」
それが、アッシュとの最後の会話
アッシュたちが出て行ったのを見送り、私と英二、伊部さんはリビングに座って2人の帰りを待つことに
私はもちろん、警戒するために銃のシリンダーに弾が入っているのを確認して腰にさしこみ、弾の確認をする
「2人からの連絡を待つしかないのかな…」
『…大丈夫、すぐ戻ってくる。アッシュがいるんだもん』
「うん…」
「とにかく戸締りだ、2階を頼むよ」
「はい」
2人が戸締りに出て行ったのを確認した後、車を走らせて出て行った2人を思い出す
(アッシュ…)
どうか、無事でいて
アッシュside
ジェシカの家に着くと、パトカーが停まっていた
急いで中に入ると、肩から毛布をかけてソファに座るジェシカと心配そうにするマイケルがいた
俺たちに気づくと、マイケルはマックスに抱きつき、大きな声で泣き始めた
「…マイケル、おいで。パパとママはお話があるんだってさ」
マックスからマイケルを預けられ、俺は静かにリビングを出て庭先のブランコに向かった
ブランコに座り、さっきまでのことをマイケルに聞けば、涙ながらに教えてくれる
「…あいつら、いきなり入ってきたんだ
ママは僕をキッチンに逃がして…そしたらアイツら怒ってママを…」
「ごめんよ、嫌なこと思い出させて
警察へはママが？」
「ううん、ジョージおじさん。ママと電話中だったんだ」
「それで連中は逃げて行ったんだね
白人？それとも黒人だった？」
「ううん、どっちでもなかったよ」
「…え？」
白人でも、黒人でもない？
じゃあ……じゃあ…！
ジェシカを襲ったのはディノの手下じゃない
「マックス！屋敷に戻るぞ！」
「え、あ、なに？」
「早くしろ!! レオンが…レオンたちが危ない!!」
「なに!?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月5日 11時
