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12-8 ページ34

アッシュside






英二に日本に帰れと言い終えてキッチンに向かい、戸棚にあったバーボンの瓶を取り出しコップに流し込みそのまま一気に飲み干す









「流石のお前も、英二に心ないことを言うのはこたえたか?」









そんな声に驚き、手の中にあったグラスをシンクの中に落とした
ガチャンとシンクの中にあった、水の入ったコップまで横に倒れトクトクと水が流れていく









マックスに気づいて「ちっ」と舌打ちをしてバーボンを飲もうとするとマックスが取り上げてきた









「ニューヨークに戻るんだな?だから英二を日本に帰そうとした…そして、お前の大切なレオンをこれ以上危険にあわせないために帰そうとした」

「……生き延びるチャンスが1番少ないからな
それにレオンには、もう俺のせいで傷ついて欲しくないからな」

「今戻ったら殺されるぞ…レオンも、ディノの言いなりになる生活に戻ることを覚悟してる」

「…ここにいてもそれは同じさ。時期に追手はくる
ニューヨークがディノのホームグラウンドなら、俺にとってもレオンにとってもそれは同じさ
…レオンにだけは、逃げてほしかった」

「………何かあったのか、レオンと」

「ただの喧嘩さ…俺がガキだったからレオンを傷つけた」

「…さっさと謝っちまえよ。レオン、傷ついた顔してたぜ」

「…え」









マックスがコップにバーボンを入れて一口飲むと、「お前さんが英二に話をしに行った後、泣きそうな顔して受け入れてたよ」と言った









「…お前のことを大切に思うが故に頷いたんだろうが…あんな言い方はない。レオンだってお前が大切だ
刑務所で散々で見たからな…
…ニューヨークに戻れば、レオンは絶対にディノの手に落ちる…もう2度とお前には会えない」

「……………………」

「アイツは、お前に会えなくなることを覚悟でお前の指示に応じたんだ
愛した男の言うことを、素直に受け取り、自由とは縁遠い鳥籠に戻ろうとする小鳥になった…」

「………………………」

「…レオンはどうしても、奴と刺し違えるつもりだった…それは今でも変わらんだろう
お前だってそうだろ?」









レオンを守りたいがために言った言葉は、確かにディノに優位になるようなことかもしれない
だけど、レオンが死ぬよりもマシな選択だって俺は思ってる



でも…でもっ…!









ディノに捕まることになるなら、俺はレオンを連れて行く

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月5日 11時

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