ヤマネコの相棒はライオン3 (ページ27)

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12話喧嘩の時間ページ27

「これがグリフを狂わせたものの正体だってのか…？」

「ドラッグか…それも全く未知の」

マックスたちが部屋を出ていき、アッシュは残ってまだ調べると言う
私も残って調べるのを手伝うと、「お前は休んどけよ」とパソコンから視線を逸らして私を言う

『それを言うならアッシュだって』

「ケープコッドから休んでないだろ…」

『そんなことない…それならアッシュの方が』

振り返ればアッシュは「休め」という目線を向けてくる
私はその視線を向けられても知らぬ存ぜぬを突き通す

「…ユージン」

『！』

「どんな奴だったんだ？」

『………どうして』

椅子を横に向けてギシッと軋ませたアッシュは、「別に」とそっけなく返してきた

「ただ気になっただけさ…レオンの初恋だからな」

『…………』

「…で、どうなんだよ」

『…別に…変わったことなんて』

「俺に言えない？」

『そんなこと…っ』

「…でも、そういうことだろ？」

ガタンと椅子から立ち上がったアッシュは、ユラリとこちらに歩いてくる
いつも優しい笑顔を浮かべているはずのアッシュの表情は、今まで見たことないぐらいに怖かった

一歩、一歩と後ろに下がりついに壁にまで追い込まれると顔の横に手をつき「どうなんだよ」とグリーンの瞳を向けてくる

『…別に、ユージンは…』

「……………………また秘密か」

『え？』

「…大事なことは全部秘密だな…
シオンのことも、ニューハンプシャーのことも、故郷のことも…ユージンのことも」

『別に、秘密になんか』

「…秘密じゃないか…肝心なことは全部そうだ!!
俺に何も言わない、俺に話してくれない！そうじゃないか！」

『アッシュ』

「俺よりもユージンの方がいいんだろ!!!
ユージンなら全部話してたんだろ!! そんなに俺は信用ないか!? お前のことを知りたい、お前を守りたい！そう思っちゃダメなのかよ!!!」

『アッシュ…痛いっ』

両肩を掴んでギリギリと力強く掴んでいて放さない
痛みで顔を歪ませても、今のアッシュは気づいてくれるはずがない

「そんなにユージンがいいなら、もう俺に構うなよ!!
どうせ俺のこともユーリーアスたちと同じで可哀想だから一緒にいるだけなんだろ!? じゃなきゃ、男娼上がりの殺人鬼のそばにいねェだろ!!!」