11話 息子の時間 ページ23
車を走らせ、目的地であるウェストウッドへ向かう
夜風に当たりながらウェストウッド42の102を目指すと、トラックがゆっくりと停車した
「アッシュ、着いたの?」
「あぁ」
トラックの荷台から降りると、大きな屋敷を見上げた
「おっきな家だなぁ」
『……………』
「レオン、どうかしたの?」
ジッと屋敷を見つめ、ゆっくりと歩いて門に手をかけるとキィ…と音を立てて開いた
「不用心だな」
『…………』
「どうした?」
『…なんか、気に入らない』
異様な空気に包まれている気がして、警戒が解けないでいると、「きゃーーーー!」という甲高い悲鳴が中から聞こえて来た
「裏の方だ!!」
走り出したアッシュを追いかけ、裏手に回ると老婆が倒れ込んでいた
「だ、誰か…」
「おい、大丈夫か!?」
「ぼ、ぼっちゃまが…さらわれて…」
「あっちだ!」
『アッシュ!』
話を最後まで聞く前に建物の角に滑り込んだアッシュを追いかけると、「待ちやがれ!」と怪しい男たちに声をかけていた
アッシュに向かって銃を発砲するも、アッシュには被弾せず後ろの柵に被弾していく
「どこ狙ってやがる!こうやって撃つんだよ!」
アッシュが男たちの腕、肩に狙いを定めて撃つと男たちは一目散に逃げていった
「ショーター、前へ回れ!」
アッシュの指示でショーターが逃げる男たちを追いかけていくのを見届けて、地面に横たわる影に駆け寄ると黒髪の白い肌の女のような人間が倒れていた
「…女か?」
『ぼっちゃまって言ってたけど…』
「アッシュ!すまねえ、逃げられた
バンを停めてやがって」
戻ってきたショーターに、マックスは気を失った少年を抱き上げながら、「とにかく中へ運ぼう」と言い、屋敷の中へ足を向けた
豪華な家具が置かれている屋敷の寝室に気を失っている少年を寝かせ、スウルーと名乗る老婆から事情を聞くことになった
「…私がお食事の支度をしておりましたら、あの男たちがきてぼっちゃまを」
「じゃあこの少年が目当てだったってわけか」
「こいつ、一体何者なんだよ」
「ユーシス様は、旦那さまの…アレクシス・ドースン博士のご子息さまでございます」
「息子?」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月5日 11時