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『え?』
「お風呂入っちゃいなさい!
男どもはリビングで待ってなさい!さ、こっちよ」
『え、あ、ちょっ…』
背中を押されて脱衣所まで押し込まれると、「バスタオルはこれを使ってね、洗濯機に服入れて洗濯していいわよ、乾燥機もついてるから」とテキパキと言い終えて出て行ってしまった
ポツンと置いていかれた私は仕方なく、シャワーを浴びさせてもらうことに
ちょうどいい温度で体に当たり続け、30分で終えて服を着て髪の毛を乾かした
40分ほどで終えてリビングにいくと、「シュンイチに感謝するのね、マックス」とさっきの人がカツンとナイフでリンゴを割っていた
「彼がいなかったらあんた、今頃蜂の巣よ」
「前に取材でお世話になったんだ」
『………あの、お風呂ありがとうございました』
「あら、いいのよ!洗濯機、使い方わかった?」
『あ、はい』
サバサバとしているこの人はマックスの奥さんのジェシカ
アッシュの隣の空席に座り、夕食だというのを皿に取り分けてもらいそれを受け取った
『美味しい…』
「そりゃ良かったな」
口の中に入れた食べ物が本当に美味しくて黙って食べていると、ジェシカはアッシュと英二を見て「ふうん」と笑顔になった
「君たちいいセンいってるじゃない。うちの雑誌のモデルにならない?」
「え、モデル?」
「騙されるなよ。尻の穴まで丸見えの大股開きをさせられるのがオチだぜ」
「尻…」
『……………』
「いや、受けねぇよ」
ジトッと見ると、アッシュはすぐに否定した
青ざめる英二や興味のないアッシュに私は少しホッとした
「あんた、カメラマンの時に散々女のアソコで稼いだんでしょ!
あたしが男のアソコで稼いで何が悪いってのよ!?」
「マイケルの教育上悪いさ!」
言い争う夫婦を傍観しているアッシュの横で、両手を顎で支えてゲンナリとするマイケルは、「これ以上悪い状況なんて考えられないね」とぼやいた
そんなコメントに私とアッシュも「ごもっとも」と言いながらため息をついた
「ごめんなさい…マイケル、ポテトもっとどう?」
「僕もう寝るよ、おやすみ」
「はい、おやすみ」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月5日 11時