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「ユージンは不自由な暮らしをしている子どもを片っ端から連れ出してこの店で一緒に暮らしてた
もちろん、決して裕福ではなかったけど自分のいた場所よりも幸せで温かいこの店がみんな好きだった
レオンもそうだった。特にレオンは親父のせいもあって酷かったから特別ユージンと仲が良かったんだ
そんなある日、店にはレオンとユージンとユージンの両親だけがいて…強盗に襲われたんだ」
「！」
「そんな…」
「金目のものを奪っていけばいいのに、ユージンの母親を拷問して殺して父親をなぶり殺しにした…
母親を襲った男がレオンを襲おうとした」
「！」
「動けないレオンを庇ってユージンは殺されたんだ…」
「………そんな」
グッとユーリーアスの拳はワナワナと震えていた
胸糞が悪くなる話をすることだけでも辛いだろう
「…強盗は？」
「死んだよ…レオンが殺した」
「えっ」
「強盗の銃を使ってな…ここは警察も手を焼くほどだし、警察が強盗のことをちゃんと調べなかったこともあってレオンは警察が大嫌いなんだよ」
「…そんなことが」
「1年後、この街に来た警察が酔った勢いでペラペラ喋ってくれたんだよ
強盗は金で雇われてたこと、その強盗を雇ったのが…レオンの父親だってこともな」
「えっ!?」
「嘘だろ…」
「本当のことさ…。それからレオンは、この街を出て行った
2度と帰らないと言い残して、この街から消えたんだ
ユージンもいない、レオンもいない、廃れきったこの街をなんとか俺たちが持ち堪えて立て直して、いつでもレオンが帰ってきてもいいようにしてた…でももう、無理だ
アイツの今の好きなところはアッシュがいるニューヨークだ
もう戻ってこないってレオンを見てわかったよ」
レオンが、好きな場所は…俺がいるニューヨーク…
たったそれだけでも嬉しい
「…さてと、しみったれた話はこれでお終いだ！
レオンの迎えに行って来てくれないか？」
「えっ…」
「ケイトがいると思うし、そこの通りをまっすぐ行った突き当たりの古びた家がレオンの家だよ」
ユーリーアスが教えてくれた通りにレオンの家に行けば、ケイトとサーベルがいた
「あ、きたね」
「レオンなら中だ」
「あ、あぁ…」
「ここが」
「なーんか…ニューヨークのボロ屋よりひでぇな」
「レオンの家は俺たちの家よりも酷かったからね…他の家の方がまだマシな方さ」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月5日 11時
