9話 ワシントンの時間 ページ2
「着いたぞ、ワシントンD.C.に」
「うわああ!」
「いいところだな〜」
「さすが、首都ワシントンD.C.だな…」
派手な街並みとは違って、静かな場所
補給物資を調達するためにマックスたちが店を探すためにトラックから降りた
「…………」
「…誰だよ、あんたら」
「え?」
見た目からして不良の類に入る男2人組がマックスと伊部さんの前に現れると「誰のヤサか知ってんの?」と鋭い眼光で睨みながら言う
その凄みにたじろいだマックスは、「あ、いや…」と口ごもらせた
「どこに行っても、ストリート・ギャングはいるんだね…」
『ニューヨークの方が可愛い方さ』
「え?」
英二が驚いているのにそう返して、マックスの横まで歩いていくとアッシュとショーターは「おい」と声をかけてくる
それを無視して立ち止まると、「誰だよあんた」と言われる
『久しぶり、ライ、レイ』
「……………えっ」
「レオン姉ちゃん!?」
「「え」」
「うわあああ!! 久しぶり!! 何年ぶりだ!?」
『私が9の時に出たから…9年ぶりかな』
「え、もうそんな経つの?」
「マジかよ」
さっきの鋭い眼光から年相応の顔に戻った2人に驚くマックスと伊部さんに『私の友達だよ』と言えば、2人は納得したような顔をする反面、困惑している
『ユーリーアスはいる?』
「うん」
「いつもの店にいるよ。店継いだからね」
『わかった。ライ、レイ、後ろのみんなは私の友達だから丁重にね』
「「はーい」」
くしゃっと頭を撫でれば、2人は嬉しそうにするとマックスたちにさっきの態度と一変して人懐っこい顔をして話しかけている
「お前…」
『ここが私の生まれ故郷だよ…何もない、腐った街さ』
ワシントンの中でも汚いと言われる街
ここで私は生まれ育った…いい思い出もあれば、思い出したくない思い出がある
「レオン姉ちゃん、なにか必要なものは?」
『とりあえず、1週間分の食料と水をもらえる?
ユーリーアスに言えばいいから』
「了解」
「あんたら、今日の寝床は?」
「あ、いや…まだ」
「なら、ユーリーアスに頼んでやるよ」
「もとより、レオン姉ちゃんがいるから大丈夫だろうけどさ」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月5日 11時