元殺し屋はヒーローになる19 (ページ47)

今日:29 hit、昨日:7 hit、合計:19,640 hit

138-3 ページ47

アッシュたちに見送られる形で飛行機に乗り込み、指定席に座ってさっきのことを思い出す
いいようにされて口の中荒らされて、挙げ句の果てには擬音セックスの気分にまでなった。なんてことだ

『あーあ、怖いな……魔性になりそうじゃん』

旅立っていく飛行機
ニューヨークの景色が見えてくる

(またね、アメリカ…またね、ニューヨーク
またね、アッシュ…いつか必ず…あなたをそこから救い出してみせるから…それまでどうか、強く生きてほしい)

窓の下に広がるニューヨークの自由の女神に別れを告げる
次会う時、この自由の女神を中心に広がるニューヨークの街並みが変わってなければいいな…

短期間のアメリカでのインターンは、私に大切なことを教えてくれた大切な期間だった

だからって、熱烈なキスはしなくてもよかったと思う
呆れた笑みが勝手に溢れていく

アッシュside

「にしても、お前熱烈なキスだったな」

「絶対してやろうと思ってさ」

天城のニンマリとした笑みに俺は挑発するように笑ってやった
なんたって惚れた女にするキスだ。熱烈にしなくて何が悪い

「ま、それが最後のキスにならないことを願うぜ」

「え？」

「おいお前ら、行くぞ。本部から気になることが送られてきた」

「あーあ、青子ちゃん帰っちゃった」

「また会えるよ」

「行くぞ、お前ら！」

一足先に帰っていくヒーローたちを見送ると、「泣かなかったな」とブランカが言ってくる
俺は「ふん」と鼻で笑う

「別に悲しくも寂しくもないぜ？
いつか会える、そう言ってくれたからな」

「…そうか」

またな、青子

またな、俺のヒーロー

俺たちはまた必ず会える
このニューヨークで俺は待ってる

いつかきっとお前がくることを待ってる

どんなに遠く離れていても、お前は……俺の最高の友達で俺の最高のヒーローだ

「さ、アッシュ。帰ろうか、今日は遅れた分を取り戻すぞ」

「げっ、今日くらい休ませろよ」

「彼女に追いつくには、日々勉強だぞ？」

「ちぇっ」

じゃあな、青子
この短期間、俺は本当に幸せだった

俺は青子との思い出を忘れないように、頭の中にたくさんの思い出を刻み込んだ