元殺し屋はヒーローになる19 (ページ21)

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嫌な夢だった

目の前でいきなりオール・フォー・ワンがみんなを殺すような光景が現れた

『…はぁ…』

アメリカに来てから夢見が悪くなった気がする
ここでの生活は楽しいし、いつか拠点を日本からアメリカにすることも視野に入れてもいいかもと思ったらこれだ

『私はアンタから逃れられないって言うの？オール・フォー・ワン』

お前はいつもそうだ
私が思い描いた未来を潰そうと必ず夢の中に現れる
だけどもう後戻りも後悔もしない

『お前がどれほど策を積み上げようと、必ず私が邪魔してやる』

オールマイトが託したように、お前も託したのだろう
次世代のヒーローと同じように、次世代のお前と同じ巨悪を

『どんな結果になろうと、必ず…必ず邪魔してやる』

たとえそれが、相討ちになったとしても…

ー翌日ー

「青子？」

「死んでるのかい？」

『生きてる』

ブランカと共にアッシュの家庭教師をしている最中、頭が痛くなってきて机に突っ伏した
ガンガンとハンマーで殴られてるような感覚で、視界もぐらついてる

最近ちゃんと休んでなかったし、寝不足だしが募ったのだろうか…
アロマセラピーでもしてほしい、なんならアニマルセラピーでも

『癒しが欲しい』

「日本語で喋るな」

頬をつねってきたアッシュに構うことなくいると、ズキッとまた鋭く痛みがくる
こんなの、体験したことないんだけど…風邪とかじゃないだろうし、体調は良くもなく悪くもない

『…ねぇ、ブランカ、アッシュ』

「？」

「どうしたんだい？」

『…親って、どんなのなのかな』

「え？」

最近、深く考えるようになった
自分の親がどんな人だったのだろうかと…エリちゃんのこともあったし、焦凍のこともあった、渚のこともあって、「親」という概念がよくわからなくなっていた

『我が子が、可愛くないのかな…』

「…青子？」

『可愛いはずなのに、どうして強く当たるのかな…』

腹を痛めて生んだんじゃないの？
目に入れても痛くないんじゃないの？

『どうして…どうして、捨てたの？』