131話 師 ページ2
『こんのクソジジイ…』
「よぉ、青坊」
『その呼び名、どうにかしやがれ…ジジイが…』
「そうもいかねぇなぁ…てめェが俺にそうやって楯突くことが面白ェからな」
『ハッ…ジジイが…くたばりぞこない』
「言ってろ、クソガキ」
ミシミシと骨が軋む中、男は「おい、坊主」とスコットを見つめる
「コイツをおろせ」
「何言ってるのかな」
「聞こえなかったか？「おろせ」と、そう言ったんだ」
威圧的な瞳、声色、言葉、スコットはそんな男の威圧的な全てに充てられてゆっくりと私を下ろした
解放されてゲホゲホと激しくむせていると、「青坊」と男は私の元まで来ると、髪の毛を引っ掴んできた
「動けるだろうな」
『ッ…』
「動けるだろうな」
『……………ったり前だろうが』
目だけを逸らすと、「ならいつまでも地面に這いつくばるのはやめろ」とぺいっと髪の毛を離された
「色気づく暇があるなら…ちったぁねェ頭使って考えろ」
まるで、髪の毛を伸ばすことがいけないとでも言われている気がした
フラァっと立ち上がり、ジジイを睨みつける
『アイツが好きだって言ってくれたから伸ばしてる髪の毛を、ジジイが否定してんじゃねぇよ』
焦凍が好きだって言ってくれたから、私なりに伸ばしてみた
髪の毛をつかまれたらナイフで切る覚悟はあるけれど、できれば切らずに済ませたい
「青坊」
『…』
「殺れ」
その言葉一つで、私は一体何者になるんだろうか
スコットの間合いに入り、軽く攻撃を避けた後背後に回って確実に意識を刈り取った
「あ…がっ」
ドサッと膝をつき倒れたスコットは、気を失っている
「…呆気ねぇな、このガキ」
『…で、なんでジジイがいんの』
「あん？」
「青子！」
『アッシュ、ブランカも』
駆け寄ってきたアッシュが飛びつくような抱きつき方をしたので、なんとか受け止めるとズキッッッとあばらの痛みが蘇ってきて『お"っ』という野太い声を出した
「え？」
「ったく…てめぇの怪我がどれだけか覚えてねェたァアホだな」
『うっさいな……………クソジジイ』
「うるせぇなぁ、クソガキ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 484人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年5月29日 0時
