大王女様と山猫小僧2 (ページ43)

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「俺はすぐにでも発ちたい
早いとこ、そのヤローをとっ捕まえてディノのじじいを追い詰めてやりたい」

『と、申されておりますが』

「今すぐは無理でしょ」

クイックイッと親指でアッシュを指さすと、両手を頭の後ろで組んだカルマが遠い目で見る

「まあ、待てよ。少しはこの年寄りのことも考えてくれよ
瑞姫だって肩の傷がまだよくなってないだろう」

『肯定も否定もしないよ』

(さっきのこともあるから強く言えないもんな)

「ちっ、これだから年寄りはやだぜ！
足腰立たねえならついてくんな！」

マックスを睨みつけてアッシュはスタスタと歩いて行くと、「おい、どこへいく？」と聞かれて「車から毛布持ってくるんだよ。ジジイ2人はベッドで寝りゃあいいだろ！英二、カルマ、手伝え！」と吐き捨てて歩いていく

「うん」

「はいはい」

「じじい……」

『………ん？ちょっと待って？年寄りって、私も含まれんの!? ちょっとアッシュさん!?』

確かに私はアッシュの年上だが、たった1歳差ですけど!?

「来ると思うか？ゴルツィネの追手は」

「こられたらお手上げだ」

『大丈夫だよ』

「？」

「え？」

『なにがあっても大丈夫さ…こちとら、一年みっちりしこまれた…殺し屋だよ？』

「こ、殺し屋？」

「はははっ、なに言ってるんだよ。瑞姫ちゃん、アメリカンジョークも大概に」

『嘘でも冗談でも好きに捉えてもらっていいけど、調べれば早いよ。伊部さんも知ってるでしょ？3年前の月のこと』

「えっ…」

「え、なんだって？伊部、英語で」

「瑞姫ちゃん、ちょっと」という伊部さんの声を無視してドアを閉めて部屋を後にする

『…日本に帰りたいな』

ホームシックというわけではないけど、ただ単にみんなに会いたくなった
リビングに戻ってくると毛布を持ってきたアッシュ、オックン、カルマがいた

「あれ、マックスたちは？」

『部屋にいると思う』

「これ届けてくるけど、行く？」

『いや、外でちょっと体動かしてくる』

「はあ？怪我してんのによく動けんね」

『白樺さん、天才だから』

「は？バカの間違いでしょ？」

軽口を叩いた後、カルマが部屋に向かうのを見送った後、どうしたもんかねぇと超体育着とセットで渡してもらったナイフと銃を手に取り外に出る