大王女様と山猫小僧2 (ページ35)

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照準を合わせて左手の指でトリガーに指をかける
あいにく、どちらでも撃てるようにと烏間さんにみっちりしごかれたんだ、外すなんてこと…暗殺者としてありえない

ガウンという音と共に、男の足に被弾した
ちゃんと治療すれば歩けるだろう

『射撃成績速水には負けるけど、結構いい線いくんだからねっ』

「お前…」

トラックからカルマがオックンとショーターと一緒に降りていくのと同時に、その3人に駆け寄る影が見えた
もちろん、伊部さんと…マックス…マックス!?

「あいつら…！」

『なんでいんの…』

5人に忍び寄る男の肩を射抜いたあと、「アッシュ！川だ！」とマックスが叫ぶもんだから、『川あ？』と後ろにある川を見つめる

「走れ英二！カルマ！」

「アメリカに来てまで泳ぐわけ？」

『なんで川なの』

ショーター、オックン、カルマ、伊部さん、マックスが川に飛び込んでいくのに対し『ああ、そういうこと』と理解するとアッシュは5人が飛び込んだのを確認して「いくぞ！」と私の手を引いた

『ん？』

「早く走れ！」

『ちょっと待って、待って待って!? 嘘でしょ!!?』

振り向きざまに銃を乱射するアッシュは聞く耳を持ってくれず、仕方なく指紋を拭き取った銃を投げ飛ばしてそのまま川に飛び込むと、ドボンっという水音と共に沈んでいく

ガバガバ、ゴボゴボと水を吐き出しながらいると「こっち」と指でジェスチャーをしたきた
深く潜ってアッシュの後を追いかけると、どこかの倉庫裏の入江についた

「うへぇ、クセえ！」

『くっっっっっっっさ!!!?』

「うるさいよ、瑞姫…」

肩で息をするカルマに言われながら、私は『もー、無理』と地面に倒れた
ジクジク肩は痛むし、臭いし、なんか疲れたし…

「アッシュ、ここは？」

「入江のひとつさ。倉庫の裏側だから死角になってるんだ」

「英二は気絶しちゃってるよ」

『臭すぎでしょ、水の掃除ぐらいしなよ…うげぇ』

「吐くなって…」

意識がぐらぐらとしていると、「ぐっ！」というアッシュの声が聞こえて顔だけ上げると、マックスが殴ってた

「えぇっ!?」

「ったく！どこまで面倒かけやがるんだ、このガキャア」

「あーあ、荒っぽいなおっさんよお…」