大王女様と山猫小僧2 (ページ33)

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ー翌日ー

『うへーー…高級レストランじゃん』

「とても変態御用達のレストランには見えないね」

「お前ら言いたい放題だな」

単眼鏡を使いながらクラブ・コッドなる建物を見ると、確かに何人か中に入っていく
一般人っぽくないので、どうやらアッシュの言う通りらしい

「見てくれはなんてことないレストランだから、誰にも目をつけられない
この日は最小限の腹心しか連れてこないんだ
怖いお兄さん方にうろうろされちゃ、客の手前があるからな」

「それで今日にしたんだね」

『けっ、金持ちの道楽じゃん。へんっ！白樺さんなら、もっといいことに金使うもんねーっ！』

(誰も聞いてない…)

単眼鏡を下げて鼻で笑うと、カルマは目を細めた

「あの李の力を借りるのは、気が進まないけどな」

「あの人は、ゴルツィネをよく思ってないから味方してくれるんでしょ？」

「アイツはそんな甘ちゃんじゃねえ
奴も俺とジジイの揉め事の原因になったものに興味があるのさ
その辺の情報はばっちり手に入れてるんだろう」

「だろうな。お前が逃げたって知らせてきたのも、あの人の部下だった」

「……何も信じられなくなってきた」

「まあ、そういうもんだよね」

『はははは』

私とカルマが笑っていると、「まあ、そう悪くもないさ」とアッシュが言うと、《瑞姫さん！》と律が探偵の格好でスマホの画面に現れた

《クラブ・コッドの出入りする人間のリストアップが完了しました!!》

『なにやってんの!!?』

《いつかお役に立つと思いまして！》

『律のそういうまっすぐなところ好きだけどね？』

「烏間さんに送信しとけば？」

『胃に穴開くんじゃね？』

律が送ってきた情報を烏間さんに送ると《キミは本当に問題ばかりを》という長ったらしい文面を送ってきた
うん、ごめんなさい

それから、チャイナタウンが用意してくれたトラックに乗る
カルマはオックンと一緒に助手席に乗り、私はアッシュと一緒に屋根の上に乗った

『ジーザス』

「いきなりだな、どうした」

『トラックの上に乗るなんて…日本じゃなかったからね〜』

「ふーん」

ほんの少しだけ肌寒い中、ヒートテックという素晴らしいものを着ている自分ナイス
こんな優れたものがあるなんて…世界最高