大王女様と山猫小僧2 (ページ30)

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「………………」

「……………」

『村松のメシよりまずいじゃん』

ショーターの飯を一口食べてカルマと英二が止まっているのに対し、一口食べて青ざめた瑞姫がそうこぼすと「うっせぇな」とショーターは怒る

『いや、村松のラーメンよりエグいじゃん…どっこいどっこい』

「瑞姫が表したい味俺わかるよ」

『え？』

「宇宙味」

『それだーーーーーっ！』

「うるせえ」

『あ"ゔ！』

れんげで瑞姫の頭に投げるとクリーンヒットすると『れんげで遊んじゃダメって教わらなかったの!?』と言うもんだから、「黙って食べなよ」とカルマが瑞姫の頬をつねった

『いひゃい…』

椅子に座り直した瑞姫は、『カルマがいじめる』とグチグチ言いながらショーターの飯を口の中に入れて行き、最終的には全てを食べ終えた

「特別美味しくもなく」

「不味くもない」

『評価、よくわからなかった』

「お前ら、好き勝手言いやがって」

ショーターが英二とカルマに戯れるのに対し、瑞姫は『やーいやーい、ザマァ〜』と言う
ショーターはそれが気に障ったらしく、ゲシッと瑞姫を蹴飛ばしていた

『白樺さん、女の子なんだけど!?』

「ゴリラの間違いじゃん」

『あ"ぁん!?』

女とは思えない野太い声を出した瑞姫
なるほど、これじゃ女扱いはされないな

『だいたい、なんでゴリラなのさ』

「あんな殺人サーブしといてよく言えるよね〜」

『…………』

「瑞姫？」

『…べっつにー!!!』

ふんっと顔を背けた瑞姫は、『天才に負けたくなかったからねッ』とだけ吐き捨てて部屋を出て行った
俺は「天才」と言う言葉に引っかかった。アイツはどの才能があっても尚、天才ではないのか？

「ったく…別に才能がどうとかいいのに」

「白樺さん、才能ないの？」

「うーん、本人は努力して得た才能だけど…瑞姫の上をいく才能を後輩に持ったおかげで、1回追い込まれてさ
あとは、同じ年の他校にいつまで経っても試合で勝てなかったことかな…圧倒的エースが現れた」

「…………」

「そりゃ、追い込まれるな…」

「血迷って後輩に当たりそうになったんだけど、チームメイトが止めてくれたらしいよ
まあ、勉強疎かにしたせいでどん底に落ちたんだけどさ」