大王女様と山猫小僧2 (ページ23)

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15話チャイナタウンの時間ページ23

「で、行き先は？」

「チャイナタウンだ」

『律、チャイナタウンまでの道のり出せる？』

《お任せください！》

2人「!?(ｷﾞｮｯ」

『ここから30分もかかんないってさ』

「んじゃ、とりあえずこの地図通りに進んだらいいか。オックン、このナビでお願いね〜」

「え、あ、うん…」

スマホの画面に出てきた律に『ありがとね〜』と手を振ると、《お役に立てて良かったです！》と言って画面から姿を消した

「おい、今のなんだよ」

「今のって？」

「画面に映った奴だよ」

「うーん、簡単に言うと」

『友達だし』

「まぁ…」

『同じターゲットを狙ってた…』

2人「仲間ってとこかな」

私とカルマが合わせて言うもんだから、アッシュは訝しげに見つめてきた
そのままオックンの運転でチャイナタウンに入った

『うっわー…東京みたい』

「瑞姫、おいてくよー」

『えっ、おいてっちゃうの!?』

賑やかなチャイナタウンを進んでいくと、どこからかチクチクというか私たちを鋭く見ているような視線が絶えず送られてくる

「すぐショーターのとこへ行こうよ。きっと喜ぶよ！」

『…後方50ってとこだね』

「オックン、振り返らずにまっすぐ歩こっか」

「へ？」

オックンの肩を組んだカルマは、そのまま警戒していくアッシュの後を追いかけていく
私はと言うと、鼻歌を歌いながらゆっくりと路地裏の中に入っていく

「おい、瑞姫下がってろ」

『ふふーーん、ここまでいいとこなしだからね…ちょっとかっこいい、白樺さん見せちゃうからね』

「ドジって馬鹿なことして恥ずかしい目に遭っても知らないからね」

『外野は黙ってて』

片手でビッと制すると、狭いこの通路に慌てて入ってきた白人の男の子が私たちを見て驚いた顔をしている

『…なんか用事でもあんの？』

壁にもたれ腕を組みながら聞いてみると、男の子はパーカーから隠し持っていたナイフを取り出してきて、私に振るってくる

「瑞姫！」というアッシュの声と同時に後ろに逸れて避けた後、男の子の手首を強く払い除けてナイフを地面に落として足で払い、そのまま手首を掴んで一本背負いで地面に叩き落とす

『ごめんね。格闘系は烏間さんから教わってんだよね』

「ゴリラ」

『あ"ぁん!?』