大王女様と山猫小僧2 (ページ21)

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しばらく車は走り続け、アッシュが気分が悪いと言い出して車は静かに停車した

もちろんなぜ気分が悪いのかは、アッシュのお兄さん、グリフィンが撃たれたことだった
お兄さんは死んでないし、カルマの連絡で日本政府によって保護されたらしい

マジで感謝烏間さん

「さあ、俺につかまって…ん？」

チャーリーのポケットから携帯が震えているのに気づき、私は目を閉じて背もたれにもたれた

「なんのまねだ!?」

『ん？』

チャーリーの焦った声が聞こえてきて助手席を見ると、アッシュがチャーリーの銃を奪っていた
その光景を見て数秒目を瞬かせた後、『度胸!!』と叫んだらカルマに「うっさい」と頭を思い切り殴られた

「悪いな、瑞姫以外車から出てくれ」

『ホワッツ??』

「何したの、瑞姫」

『私が聞きたい!!』

伊部さんとオックン、カルマが私を置いて車から降りて行ってしまう
なんで？

「バカな真似はよせ！何を考えているんだ!?」

「あんたのおしゃべりな友達に訳を聞くんだな」

「…マックスか…あのバカ！
とにかく落ち着け、犯人はオーサーの一味だってわかって」

「そんなことは関係ない！
これは俺自身の問題だ…俺がこの手で始末をつける、さあ、どいてくれ！」

説得に応じないアッシュに、1人だけ残された私、もう帰らせてください
バレーさせてください、あとできるならば柳沢捕まえてください

「危ない、オーサーだ!!」

『カルマ撃ったのお前か、コラァ!!!!』

ドアを開けて外に出ると、伊部さんの言ったオーサーというやつはどこにもいなかった
眉を寄せて辺りを見回していると、「中に入れ！」とアッシュに怒鳴られ、その声に慌てて中に入った

中に入れば、チャーリーと伊部さんに押さえつけられているアッシュがいた
これどうしろっていうんだ…なんてことを考えていると、バンッと後部座席のドアが閉められた

「瑞姫、シートベルト」

『え、あ、はい』

ガチャッとシートベルトをしっかりと締めると、「ごめん、伊部さん！」というオックンの声と共に車が動き出した

『ギャッ！』

「オックン、運転ッ！」