大王女様と山猫小僧2 (ページ19)

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『ふふふーん、ふふふふーん』

「ご機嫌だな」

『まぁね〜！やーっと、外に出れるし』

ぐっと伸びをしてゴキゴキと鳴る骨に、肩慣らしにカルマに相手をしてもらいたいと思った

そう、今日は外に出れる日
つまり、保釈されるのである

『じゃあ、先に行ってるから早く来なよ』

「あぁ」

看守と共に面接室に向かい、カルマから受け取った私服に着替えて出てくると「白樺さん！」とオックンが嬉しそうに駆け寄ってきた

『ヤッホー』

「よかった！」

「よかったね〜、保釈されて」

『いやホントに、クソまずい飯だったよ』

日本語で話せば、オックンとカルマは「そりゃね」と同情の目を向けてきた
私だって好きであんなまずい飯を食べていたわけではない

だがしかし、まずいので食べなかった

「アッシュ！」

「！」

私の後ろからアッシュもやってくると、オックンはそっちの方にいき嬉しそうに笑っている

そんな光景を横目に、カルマに『で』とUSBメモリを見せた

『これ、なに？』

「…それがさー、嫌なことが重なったんだよ」

『はあ？』

「3年前、殺せんせーが倒した時に一緒にいた柳沢いたでしょ？」

『あぁ、最後は自爆して誰かの力がないと生きていけなくなったあの…』

「そいつが今、アメリカにいる」

『ホワッツ?????』

ほわーーーい、じゃぱにーーず、ぴーぽー

「キモい」

『ひどいッ』

全力で引いた顔をするカルマに『それよりなんで』と聞くと、「あの後、烏間さんからの緊急連絡が来てさ」とスマホをタプタプと操作して見せてくれた

内容は「E組への緊急連絡」と表示されており、この3年間久しぶりに見るその文字にガチだと思った

「「柳沢が狙っているのは、今現在アメリカに渡米している白樺さんだ」って」

『ピンポイントじゃん!? マジのやつじゃん!? 何してんの日本政府!!?』

ただその文面を何度も読み返し、私が狙われていること、柳沢のバッグに何者かがついたこと、いやマジ？ちょっと待ってもらっていいかな？

『…え、死ぬの？』

「ぶっちゃけ」

『まぁぁぁあぁぁああじで!?』