天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ6)

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「なあ、お前ら…あんまり1人で出歩かん方がいいぞ」

「なんで」

『…？』

マックスがそう言うと、俺とアッシュは足を止めて振り返った

「だからその、ここじゃ若い奴はそれだけでお姫様だからな」

「………」

『…………………今更だよ』

「え？」

「あ、裕人」

そうだ、今更だ
俺にとって、そんなこと今更でしかないんだ…

ー食堂ー

「ちっ、ひでーな。炊き出しのスープだってもっとマシな匂いがするぞ」

「まあ、慣れるまで時間はかかるけどな」

『……日本とは大違いだな…』

クンクンとプレートに乗ったハンバーグやサラダ、スープを持ち空いているテーブルまで3人で歩いて行く

「ここへ座ろう」

マックス、アッシュが隣に座り俺がアッシュの真向かいに座ると「俺の横に来い」とアッシュが自分の隣の席を叩いた

『え、なんで？』

「なんでって、お前が1番危ないだろ」

『どうして？』

「だから…はぁ…いいから、来い」

プレートをひったくられ、自分の横に置いたアッシュは「ん」と指をさした
これは素直に座らないとダメだな

俺がアッシュの隣に座り直すと、「えれぇかわいいじゃん」、「夜這いしちゃおっかなー」という声が投げられる

「なるべく1人っきりにならん方がいい」

「あんたはどうなのさ、やけに親切じゃないか」

(ハンバーグが硬い…冷めてる…まずそう…)

「俺が!? 冗談じゃねぇ!! 心配してやってるだけじゃねーか!!」

ツン、ツンツン、とフォークでカチカチのハンバーグを突く
試しにフォークで切ってみるけど、やはり硬い

奥村のハンバーグ食べたい…この際、レトルトでも冷凍でもいい、とにかく温かいハンバーグが食べたい

「食わねえのか、裕人」

『今更ながら、日本食のありがたみを思い知った…』

「…はあ？」

「フッ…」

今までは、朝起きてみたら当たり前のように温かいお母さんが作ってくれたご飯が出てきてていた
だけどそれはもう、叶わないんだな…

自分で浸っておいて、すごく泣きそうになってきたからハンバーグを突く手を少しだけゆっくりとした