天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ44)

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衝撃でバランスを崩した俺たちはそのまま荷台から振り落とされてしまった
キルトは運転席の方へ、俺とアッシュはテントの近くに隠れた

「裕人、裕人！」

『平気、だから…叫ぶな…』

撃たれた傷口を抑えるように手で覆っていると、「ここにいろ！」とアッシュがそう言い、銃を使ってゴルツィネの部下たちを撃ち殺していく

「撃て、英二！」

「英二〜!!」

『!!!』

トラックの助手席のドアを開けて奥村を狙う男がいた
助けないと、失いたくない、アイツだけは

「！裕人、やめろ！」

『奥村、目を瞑れ!!』

アッシュが俺がしようとしたことに気づいた
だけどもう無理だ。俺は日本語で奥村にだけわかるように叫ぶと、奥村は目を閉じていた

流れるようにアッシュからもらった銃を構え、そのまま撃った
俺の撃った銃弾は男の腹を射抜き、トラックに鮮血が飛び散った

「きょ…」

『来るな！そこから動くな、“英”!!』

「！う、うん！」

俺がそう叫べば、奥村はショーターを連れて外に出ていた
キルトもいるからきっと大丈夫だろう

「英ちゃん！」

『！』

「あいつら…！」

『伊部さん、マックス…』

5人を狙う男たちの足を狙うように撃つと、マックスは俺たちに気づいた

「アッシュ!! 裕人!! 川だ！」

『川…？』

「！」

俺が眉を寄せると、5人は川の方へ走っていった
まさか。そう思った時、5人は川の中へ飛び込んでいった

「裕人、立て！いくぞ!!」

『え、ちょ…』

俺が持っていた銃を奪い捨てたアッシュは、そのまま俺と共に川の中へ飛び込んだ
うまく息を吸い込まなかった俺は、十分な酸素もなくそのままアッシュに連れられて行くしかなかった

ｺﾞﾎﾞｯ

ﾊﾞｼｬｯ

「うへぇ、クセえ！」

「ここは……」

「入江のひとつさ」

「倉庫の裏側だから死角になってるんだ…」

ザブザブと水を吸った服を動かしながら俺は地面に手をついて息をした
力が抜けてそのまま倒れ込み、横で気絶している奥村を見た