天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ33)

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アッシュが身を乗り出してくるのに対し、俺は答えることなくチャーリーに視線を向ける

「バカな真似はよせ！何を考えているんだ!?」

チャーリーの言葉に俺は口を緩やかにすると、奥村が「京、やめてよ！」と言う声に俺はチラリと奥村を見た後、また視線をチャーリーに戻した

『チャーリーの友達に訳を聞いたらいいよ』

「……マックスか…あのバカ！
…とにかく落ち着け、犯人はオーサーの一味だってわかって」

『そんなことは関係ない!! 俺の兄ちゃんを殺したんだ…これは俺の問題だ…俺がこの手で始末をつけてやる……頼む、どいてくれ』

お父さんとお母さんまで死んで、その上兄ちゃんもこの世から消えた
俺に残されたものなんてもう何もない

「危ない！オーサーだ！」

「!?」

伊部さんの叫び声に反応したのは、俺とまだ車から降りることを渋っていたアッシュだった
伊部さんの視線をたどると、そこには誰もいなかった

俺は咄嗟に銃口を下に向けると、その隙をチャーリーが見逃すはずもなく俺はそのままチャーリーに押さえつけられた

『うっ…放せ！』

「伊部、引き摺り出せ！」

俺を引きずり出そうとする伊部さんとチャーリー
なんとか引き離そうと俺も頑張るけど、大人と俺の力じゃ意味がない

やばい、このままだと…引き摺り出される！

ﾊﾞﾝｯ

「え、英ちゃん!?」

「ごめん、伊部さん！」

伊部さんの視線の先には、運転席に座ってハンドルを握る奥村がいた
謝るのと同時にアクセルを踏み込んだ奥村は、そのままハンドルをきって車を走らせていく

チャーリーと伊部さんがそのまま外に転がっていくのと同時に、俺は銃をチャーリーの元に投げ捨てた

しばらくそこままハイウェイを走る車の中、俺は運転席に座って車を運転している奥村を見る

「あーあ、伊部さん怒ってるだろうなァ」

『…奥村、止めろ』

「え？」

路肩に車を停めると、俺は奥村に目だけ向けた

『奥村はここで降りろ』

「いやだ」

『なっ…』

やばい、頑固な奥村が出てくる…