天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ25)

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14話喪失の時間ページ25

「京に…なんて言ったら…だって、京……」

両親を亡くしてまだそんなに経っていない
その上、すぐにお兄さんを亡くすなんて…なんて言ったら…

「チャーリーに話そう」

「伊部さん」

「これは俺たち素人に負えることじゃない」

「俺もそれがいいと思うぜ。相手が悪すぎる」

「京には、なんて…」

「今話さない方がいい…知ったらきっと冷静ではいられないだろう
まだ両親を亡くして動揺しているしな…」

「でも、いつか話さなきゃ、ならないんでしょ…
両親の次は兄さんだなんて」

「…チャーリーに電話してくる」

そう言って部屋を出ていった伊部さんを見送り、僕はどうすればいいのか頭を抱えた

京、僕は…僕はどうすれば…

裕人side

呼び出されたのは工房

マックスがいるわけでもないそんな薄暗い工房の中に入って作業台の近くまで来ると、ふと影が濃くなりドンッとアッシュを横に突き飛ばし俺も横にそれた

ｶﾞﾝｯ

「よォ、ハニー…」

『………』

「残念だがお前のお宝はボスの手に戻ったぜ」

「!! そんならもう用はねぇだろ」

「そうはいかん。裏切り者にはたっぷりお灸を据えろってボスの命令なんでなァ」

『………』

また、殴られるのか…

俺は長い憂鬱の時が来たと思い、ため息を吐いてガーベイたちを見つめた

10分弱、俺とアッシュは殴られ続けた
もちろん、アッシュには何かを聞き出すため
俺には…ただ単に痛めつけたいという理由だけ

「っ…ゔ…」

『ゔぅ……っ』

腹を押さえながらうずくまる俺たちに、ガーベイはゴミを見るように見下してきた

「ボスのお気に入りだったんだろう
なぜ裏切った。面白ェことはいくらでもできたろうに」

「ハッ…笑わせるぜ…。ヤクの取引やコール・ガールの上前はねるののどこが面白ェ…ガッ!!」

『ア…シュ…ッ』

「口の減らねえガキだな…」

さらにアッシュの腹を蹴りつけたガーベイに、『もう、いいだろ…』と俺は壁に手を置きながらゆっくりと起き上がる

『アッシュは…何言っても話さないよ…』

「お前は知ってるのか？」

『さぁ…俺も深くは知らないね…ただ、これだけは言えるよ…』

「あん？」

『くたばっちまえ』