天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ23)

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俺がコツンとベッドに額を当てて、ほんの少しだけ首筋を見せるようにする
目を伏せて髪の毛を空いている手でかきあげる

『そのかわり…可愛がってくれなきゃ、ヤダよ？』

「へへへ…やっぱりお前、物分かりがいいぜ」

唇があと数センチでぶつかると言うところで、俺は掴んでいたシーツを力いっぱい引っ掴んでブルの視界を奪った後、そのまま備え付けの鏡の壁まで押し飛ばす

バリンと割れた鏡と痛みに悶えるブルにお構いなく、俺は牢屋の格子に足をかけてそのまま飛び上がり、かかと落としをした

「どいてくれ!!」

「どけ！お前ら!!」

「やめろ、ブル！相手は子どもだぞ!!」

「裕人!!!」

「「!?」」

『言ったでしょ……慣れてるって…一応、俺は…お父さんから空手習ってたからね……こう言うのは、慣れてるんだよ…』

ギリギリとシーツで頭を覆い、首を絞める要領で締め付ける

『今、虫のいどころが悪いんだ…頼むからこれ以上、俺を怒らせないでくれ……』

「殺すな!! 裕人!!!」

「そんな奴のために一生を棒に振るつもりか!!」

『…………本望だよ』

「やめろ、バカ!! お前の兄貴はどうなるんだよ!!」

ピクッと俺の眉が動くと、「頼む、裕人！やめてくれ!!」と言うアッシュの叫びがさらに俺の耳に届いた
ゆっくりと力を込めていた腕を緩めていき、気絶したブルを放って俺はベッドから降りた

看守が騒ぎを聞きつけて中に入ってくるのと同時に俺が外に出て廊下を歩く
どこに行くのかも決めずにスタスタと歩くと「おい、待てったら！」とマックスが手首を掴んできた

『…なに』

「いや、大したモンだと思ってさ。これでお前は認められたんだ、一人前のオスとしてな」

『………どうでもいいよ…こんなところで認められたって嬉しくないよ』

「そりゃまあ、そうだな」

「…ったく、危ねェことしやがって」

『…アッシュが言ったんでしょ？』

「え？」

『「嫌なことは抵抗しろ」って…』

俺が生きてきた中で、初めての抵抗だった

俺が小学校の頃からわいせつなことをされていたことにお父さんは少しでも自分の身を守れるようにと空手を教えてくれた

有段者とまではいかないけど、そこそこできるようになった
ちなみに、全国大会に出場しようとしたらその日に襲われた。ちゃんちゃん