天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ22)

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13話騒ぎの時間ページ22

アッシュside

「なんだ、もう戻ってたのか」

「……！」

「散歩でもしてくりゃいいじゃねぇか」

「くだらねぇ。檻の中じゃねぇか」

「それもそうだな」

「それに裕人も房に戻っちまったしな」

「…そうか」

「…？」

牢屋を変えてもらうと言っていたのに、一向に移動する気配がないおっさんに俺は「なぁ」と声をかけると、「ん？」と椅子に座って本を手に取るのを止めた

「房、変えてもらうんじゃなかったのか？」

「あ…いや、その予定だったんだがな…」

「なんだよ、煮え切らないな」

「あー…その…なんだ…変えてもらったというか、代わってもらったというか」

「はあ？」

おっさんが見せてくれたあのノートを閉じ、「どう言うことだよ」と聞くために立ち上がった時、「おい！まじかよ！」と外が騒がしくなり始めた

「あの茶トラをモノにするって!?」

「あぁ！ブルが言ってるらしいぜ！」

「見に行ってみようぜ！」

「ブル…？」

「あぁ、刑務所の中でも最悪の…………アイツ、まさか!!」

「あ、おい！マックス!!」

「アッシュ、急げ!! 裕人がブルと同房になったんだよ!!」

「…え」

裕人side

昼ご飯を食べ終えて自分の独房のベッドで静かに本を読む
もちろん、図書室から借りてきた本だ

パラパラとページをめくりながらいると、「なーに、難しい顔してんだい？」と言うマックスやアッシュ、俺を襲った男とは違う声が聞こえてきた

アッシュと同じ房になるはずだった男…確か、ブルだ

『…なに、おじさん』

「なにはねぇだろ、同居人だぜ…お姫様」

『…………』

俺が起き上がり、2段ベッドから降りてブルと向き合うように立ち、ベッドのシーツを掴む

「ガーベイにはアッサリ許したんだろ？優しくするから仲良くしようぜ」

『…まっぴらだよ。あの時は医務室に行きたかっただけなんだ…頭も痛かったし』

「へっ…」

そう言ってもブルは俺を見て、ガーベイと同じように組み敷こうと言う考えは放棄していなかった

『頼むよ…俺疲れてるんだ…慣れない生活だし…心配ごとがあって眠れてないんだ…
俺は小さい頃からあんたみたいな男を扱うのは慣れてるんだ…』

「へーそうかい、なら扱ってもらおうか」

『…いいよ』