天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ18)

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12話兄弟の時間ページ18

英二side

アッシュとキスをして口移しで渡されたカプセルの中には小さな紙が入っていた

内容はチャイナタウンドイナーズストリートにある張大に行ってショーター・ウォンという男に会うこと

アッシュの名前を出せば会えるはずだと

ドクター・メレディスからアッシュが預けたものを受け取って安全な場所に隠して欲しいこと

そして…

京がドクター・メレディスに受け渡した服を回収すること、か

伊部さんに声をかけた後、服屋でチャイナタウンに溶け込めるような服を買ってそれを着てチャイナタウンを歩く

チャイナタウン…ここもおっかないって聞いたんだけど…今更ビビってもしょうがないや

スマホのアプリを使って店を探すけど、どこにもない

「あ、あの…張大って店知ってる？」

「なんだ、オメーは」

「その店に何の用だ」

「！」

「あ、いや…ぼ、僕はあのショーター・ウォンという人にアッシュ・リンクスの使いで来たんだ」

「アッシュの…」

「ショーターはいねぇよ、オーサーの仲間が血眼になって探し回ってるんだ
お前、張大に行くんだったよな、連れて行くから一緒に行こうぜ」

「あ、おい…キルト!!」

「大丈夫大丈夫、すぐそこだし」

僕の手を引いて先を歩いて行く彼は京と身長が同じぐらいで、すごく気さくないい人って感じだった

「ここだよ」

「ありがとう…」

「こんにちはー！マーディアさん！」

「あら、キルト。どうしたの」

「飯食いに来た！あと、俺の友達！」

「え？」

「2人とも、好きなとこに座って」

「あ…」

「うん。こっち」

手を引かれてそのまま歩いていくと、席に座らされてしまった
僕はご飯を食べに来たんじゃないんだけどな…

「これ飲むといいよ、サービスね。私、チャン
ここ、私の店、何か聞きたいことあるね、ボウヤ」

「チャン、俺のスープは？」

「ないね」

「嘘だろ」

僕の目の前に出されたスープを彼に譲ると、「いいのか!? お前いいやつだな！」と笑いながら彼、キルトはスープを食べ始めた

「あっ…ショーター・ウォンって人を探してるんです。
直接彼に伝えなきゃならない大切なことがあるんです」

「そう。でも残念ね、彼ここにはいない
誰も彼がどこ行ったか知らない」

「俺も知らないな～…教えてくれてないし」

「そっか。それじゃあドクター・メレディスってご存知ありませんか？」