天使と悪魔の方程式 2【男主】 (ページ13)

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「面白い話だけど、そんな前から存在してたんなら少しはウワサになってもいいはずじゃないか、全く聞いたことないぜ」

「そこだよ。ヤツの記事によると、2007年以来ぷつりとウワサが出てこないで、今年に入ってロスで何か情報を掴んだらしい」

『この人は、今どこに？』

「最後のページに写真と経歴が出てるだろ。除隊したあと、フリーのライターをやってるって話だよ」

俺がノートの最後の方をパラパラとめくり、ある写真をアッシュが見ると息を呑んでいた

「ここを出たら早速会いに行ってみるつもりさ」

「そりゃ無理だな」

「え？」

「彼は死んだよ、俺の目の前でな」

「どういうことだ」

「自分でも気付かないうちにヤバイとこまで足を踏み入れたんだろうさ」

「そんな……なんてこった」

頭を抱えたマックスに、アッシュは「でも」と言葉を繋いだ

「あんたはなんでバナナフィッシュを追いかけてるわけ？」

「友達2人がな…。10年以上の前のことだが、俺はイラクにいたんだ
その時の友達2人が粗悪品の薬にやられた
いい奴らだったんだ…1人は詩が好きでよく自分でも書いてた
もう1人は絵を描くのが好きでよく描いてたよ
そいつらが最後に言ったんだ、バナナ」

『なんて名前？』

「え？」

ザワザワと胸の中がざわつき始める
いやに心臓が早く動く…痛い、信じたくない、嘘であってくれ

『その、友達2人…なんて名前？」

「グリフィン・カーレンリースとユウキ・キョウゴク…
ユウキは母親の名前が「ルミナリエル」で通してた…
みんな、グリフとユウキって呼んでたよ」

信じたくない、嘘だと言ってくれ、頼む…頼む…神様

「あんたの名前、マックス・グレンリード？」

「なんで俺の本名知ってるんだ」

「あんたが…」

『…………』

俺はノートを握る手がどんどん緩くなって、手から滑り落ちてベッドの下に落としてしまった

「俺にも本名があるのさ
俺の本当の名はアスラン…アスラン・カーレンリース」

『……………京極…京極裕人、それが俺の名前です』

「え、お前らグリフとユウキの弟アスランと裕人か!!
なんてこった、こんなところで会うとはなー！奇遇だぜ！
そうか、裕人は「ルミナリエル」って言う名前もあるのか…そうか」