元殺し屋はヒーローになる18 (ページ8)

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ドンッと壁を殴った青子の覇気は、これまでにないほどの迫力で俺もブランカも息を呑んだ

『ヒーローは自分のためじゃない、人のために活動してる
自分の名誉や金のために活動するヒーローも少なくはない…
だけど…！私の知ってる“最高のヒーロー”は…!!

どんな弱い人も守れて導けるヒーローで
困ってる人を笑顔で助けるヒーローで
どれだけピンチでも勝つヒーローで

この腐ったヒーロー社会をぶち壊してくれる…
「オール」じゃなくていい、「ミリオン」だけでもいい
たとえそれが、叶わなかったとしても…ヒーローになることを諦めない人だっている…！
必ず復活すると信じて待ってくれてる人たちもいる…！

ヒーローは、そんな人たちの声に応えるために、綺麗事実践する仕事なんだ…!!!』

ポタッと雫が落ちた
長く伸びた茶髪の奥からキラキラと雫が落ちている

泣いてる、青子が

ﾊﾞｻｯ

「青子、どこに行くんだ！」

『…頭冷やすだけ…ついてくんな』

長く伸びた茶髪のせいで顔は見えなかったけど、いつもの笑顔じゃなくて、ひどく掠れた声でそう言われて俺は立ちすくんだ

バタンと閉められたドア
静寂が訪れた部屋には、俺とブランカだけが取り残されていた

「……俺は、自分が何でこんな目にあうのかわからなかった」

「！」

「けど、今の青子の…体の傷や心の内を聞いたら……青子の方がすげぇ辛いんじゃって」

「アッシュ…」

アイツは、いつも笑顔で俺を守ってくれて、そばにいてくれて、気にかけてくれて、見返りも要求しなくて、ただ、横にいてくれた

俺は、俺は…あいつに何をしてやれた？

「青子ーーーーーーっ!!!」

「青子ちゃああああああああああん!!!!?」

「「(ﾋﾞｸｯ」」

「あ、あれ…」

「青子ちゃん!!? どこっ!!!? どこ行っちゃったのーー!!!?」

「アッシュ、青子は？」

「あ、頭冷やすって外に」

「いーーやーーーーーーーーーーーー!!!!!
あんなに可愛い青子ちゃんが外に出たなんて襲われちゃうよーーー!!!?
青子ちゃあああああああああああんんんんん!!!!!!!」

「近所迷惑だ、尚哉!!!」

静寂とはかけ離れた奴らがきた