元殺し屋はヒーローになる18 (ページ50)

今日:15 hit、昨日:9 hit、合計:23,248 hit

130-6 ページ50

「キミが彼女を苦しめた!!! キミの“個性”が！キミの全てが！キミの存在が！彼女を苦しめた!!」

狂ったように銃弾を浴びせ、叫び、笑っているスコットに私は何も言い返せなかった

言い返すことすら許されなかった

『そんなこと…ッ…言われなくてもわかってる…ッ』

許されないことをしたことも、許されてはいけないことをしたのも、償うことすらできない重罪であることも

私にとってエリちゃんは光だ

緑谷やA組のみんなは次世代に輝くヒーローたちだ

E組のみんなは最高の仲間たちだ

だからこそ

『許せない罪を犯したとしても…』

「！」

『その罪を少しでも償うために…』

(しまった…！)

『私は…なんでもやるんだ!!』

「それが人を殺すことでもか!!!」

『そうだ』

ナイフを投げつけてくるのを何とか交わしていく
さすが元殺し屋だ。二手三手がどんどんと増えていく

『一度見せた手が』

「！」

『私に通じると思って……………!!?』

「(ﾌｯ…」

『なっ…!?』

「ゲームオーバーだ」

ﾄﾞｺﾞｫﾝ…

『あ"………ガッ…………』

ギチギチと締め付けられ、ミシミシと骨が軋んでいく

(あばら…もってかれた…ァ！)

「俺の“個性”、知らなかったのは仕方ないよなァ
あぁ、そうさ…キミが知ってる通り…ナインが奪った“個性”と同じさ…！」

『あ"ッッッ』

青い龍が私を咥えギチギチと咬み殺そうとしてくる
那步島で見せたナインのあの“個性”…こいつも持っていやがった

「ナインが叶えれなかったあの新世界…キミを生贄に俺が作り上げてみせよう」

『て、めぇが………できるわ、け…ねぇっ！あいつが…緑谷がそんなこと許さない…っ！』

「さあ、それはどうかな」

『あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!』

グッと拳を握ったスコットは、「どうだ、痛いかい？ヒーロー」とそのまま手を下へと振り下ろした
それと同時に龍も私を下に向けて真っ逆さまに落ちると地面にクレーターを作るほどの威力で攻撃をしてきた

『ガッ…』

口から吐き出された少量の血は口を伝ってどんどんと流れていく

視界がグラグラする
あばらはもっていかれた、多分内臓も今ダメージを受けた、骨も軋んでる

那步島で体験したあの痛みが全身を襲ってくる

「はっはっは…なんじゃ、青子…小僧相手に…手を焼いておるのか？」

『クソジジイ…！』