元殺し屋はヒーローになる18 (ページ49)

今日:28 hit、昨日:9 hit、合計:23,261 hit

130-5 ページ49

ジャキッと小型ナイフを取り出したスコット
超体育着じゃないおかげで、今は丸腰だ…頼れるのは“個性”のみ

銃もナイフも置いてきたし、あの時に燃えたからな

『セーフティーハウスを吹っ飛ばしたのはお前だな？』

「ご名答！でもよく逃げ出したね、ゼロ距離爆破だったのに」

『“個性”使って窓突き破って逃げたんだよ…
爆発の威力のせいで鉄骨腹に刺さったけどね』

「…の割には、…………どうやら、自分の寿命を犠牲にしたようだね」

『詮索する男は、嫌われるよ？』

「もとより、そのつもりさ」

ﾄﾞﾝｯ

ﾄﾞﾝｯﾄﾞﾝｯ

3発の銃弾は全て地面に被弾していく

ザザッと倉庫の影に隠れると、「あれ、隠れるのかい？」とスコットは笑いながら銃を乱射してくる

(だーーーーーーッッックソが！
実弾銃ずっとぶっ放しやがって…！)

奴の“個性”がわからない以上、下手に動けばこちらが不利になるのは目に見えてる

『チッ…！』

「流石に手も足も出ないっていうのかな？
あの最恐の殺し屋の仲間なんだろう？ヒーローが!! 殺し屋だってね!! 笑えてくるよ!!! キミは、いつまで経っても、人を殺し蝕み苦しめる“ヴィラン”さ!!!!」

ドクンと心臓が動いた
ズキンズキンと痛み始める胸を押さえつけるように手で服を握る

「青子はヴィランじゃねぇ!!!」

『！』

反対側の倉庫からそんな大きな声が銃声に負けじと響いてきた
一般人だと思えず、顔を向けると金髪にライトグリーン、黒髪に黒い瞳を持った男2人がいた

『あの…バカッ!!』

「………彼女がヴィランじゃない？」

「俺のこと、助けてくれた!! 青子は俺にとって最高のヒーローだ!!!」

「…へぇ、言われてるよ…？Ms.青子…いや、治崎破無」

『てめぇっ…！』

アッシュとブランカがいる中、まさか名前を言うとは思えず、倉庫から身を乗り出さないように『ふざけんな！』と叫べば、銃弾がこちらに被弾してくる

「キミの兄上も、キミも、あんなものを作り出さなければ、あの壊理という子も幸せでいられたのになぁ!!!」

『っ！』