元殺し屋はヒーローになる18 (ページ47)

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『傷が、治ってる……』

包帯をとってみれば、綺麗さっぱりと治っていた
あるのは真っ赤になっている包帯だけ

(これが、グアバリャの“個性”…)

巻いていた包帯を手に取り、真っ赤になった包帯をゴミ箱に投げ捨ててベッドから降りる

用意されている黒いパーカーと黒いジーンズに着替えた後、黒いキャップに髪の毛を押し込み、すぐに部屋を出る

「おぉ、回復したか！」

『おかげさまでね』

大袈裟に肩をすくめて見せると、「よいよい」とグアバリャは笑うと、ショーカーはホッとした顔になっていた

「おお、そうじゃっ！」

『？』

「お主のことを探しておる奴がいたなぁ…ほれ、金髪の…」

『アッシュ…』

「そうじゃそうじゃ！火事になっておった場所で呆然としておったわい」

『…………………』

「そばに大男もおったのぉ…東洋人というのか？彫りの深い鼻の高い男じゃったわい」

『…そうか……とりあえず、行ってくるよ』

「1人で大丈夫なのか？」

『大丈夫、2人ともありがとう。報酬ははずむよ』

「くふふふ…ならば、ワシは柘榴を用意してもらおうか」

『なに、ハロウィン？』

「くふふふっ、そう言うわけではない…食べたいと思ってな」

『ふーん、ショーカーは？』

「俺は…」

ふむ…と考え始めたショーカーは、「俺は」と顔を上げ真っ直ぐとこちらを見てくる

「無事に帰ってきてくれれば」

『！』

「ただそれだけです」

「くふっはははは!! ショーカー！お主は…！」

『…わかった、帰ってくるよ』

ドアノブに手をかけてそのまま外に出る
顔を見られないようにパーカーに顔を埋め、下を向きながら歩いていく

6番埠頭まで30分はかかる…
ここからだと歩きで考えたら1時間…信号にも引っ掛かるとしたら…

間に合わないな…

『っし…』

路地裏に入りパイプなどに足をかけて建物の屋上に登る
そこから6番埠頭までを双眼鏡で覗き方向を確認する

『…うーん、特に障害物もなさそうだし…いけるか』

双眼鏡を分解し、そのまま飛び出していく