元殺し屋はヒーローになる18 (ページ46)

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『…ごめん』

「………っ…ひぅ…」

震えているショーカーの背中をさすりながらいると、「むむっ、ショーカー泣いておるのか？」という声が投げられ、「泣いでまぜんっ！」と鼻を鳴らした

「泣き虫になったものじゃな」

『グアバリャ』

「青子、大怪我をしたと聞いたが、どうじゃ傷の方は」

『治ってんのかわかんないよ』

「…ふむ、回復がうまくいっておらんのぉ…
ショーカー、少し席を外してくれるか？」

「は、はい…」

少し離れて目元を赤くしたショーカーの頭を撫でて見送ると、「さて」とグアバリャは私をじっと見つめる

「ここまで治りが遅いのはどう見ても異常じゃ
どういうことかは、わかっておるな？」

『……実験のせい、でしょ…わかってる』

「…12歳から始まった人体実験による人体の損傷、4年にわたる精神的苦痛による疾患…気づいておらんだろうが、素人目から見てお主の体は異常じゃ
もはやもたぬ体になっておる」

『……だろうね…』

「……自分の体のことをわかっておるなら、お主がやることはわかっておるじゃろ」

『………………………………』

「それしかないとは言わん…じゃが、言わずもがなそれしかない」

『………』

「覚悟はあるか？」

グアバリャのピンクの瞳を向けられて、私は無言で頷いた

「……わかった、犠牲にするものはなんじゃ？」

『……私の寿命10年分』

「…わかった、ではお主の寿命10年分を使って治そう」

グアバリャが私の心臓付近に指を刺すと、ドグンッと重い痛みが心臓から全身に響き渡った

『〜ッ!!?』

「自らの運命を受け入れ、尚も立ち向かうというのならば…勇気あるお主に…幸あれ」

ドグンッドグンッという心臓の音とともに、傷がズグズグと痛み始める

悶絶しそうな痛みに体を曲げて耐える

「お主は…どこまで自分を追い詰めるつもりじゃ」

『…ッハー！ハーっ』

息ができなかった分、息をするとドッと疲れが押し寄せてきた
ズルズルと地面にもたれると、巻かれていた包帯が取れていた