元殺し屋はヒーローになる18 (ページ43)

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カツカツと爪を弾く音と比例してイタリア語で文字を打ち返していく
外国語は日々勉強だからたまに音楽を聴いたあとに何気にイタリア語の講座とかも聞いているから、学習時間はなんとかとっているけどそれでもわからない場合はすぐにビッチ先生に聞く

あの人暇なのかってぐらいすぐに返信くれるから嬉しい

(今晩…6番埠頭の倉庫でお待ちしています、か…)

届いた最後のメールにはそう書いてあり、チラリと隣を座るアッシュを見た後スマホに表示されている時計を見た
時刻にして午後2時、あと4時間か…

『…今日はブランカに教わるんだっけ』

「あぁ、まぁな」

『ふーん』

「…なんかあるのか？」

『んにゃ、なんにも』

エンターキーを押して送信ボタンを押すと、送信完了の文字が表示されそのまま電源を落とした

6番埠頭か…あんまりいいところじゃないってロレイが言ってたな…
一応、武装はしておくか

目的地で降りて屋敷の近くまでアッシュを送り届けると、そのまま歩いてセーフティに戻る

『疲れた〜…これ終わったら絶対2日は寝る…』

ボフンッとベッドになだれ込み、ゴロンと寝返りを打った
コツンと頭に何かがあたり、見上げてみれば

『は』

ﾄﾞｫｫｫﾝ!!!

アッシュside

ﾊｯ！

「アッシュ、ここが……………どうかしたかい？」

「……い、いや…」

何か嫌な予感がして、顔を上げれば俺に勉強を教えているブランカは「そうかい？」とテキストを見下ろした

「にしても、このテキストはすごいな…要点がちゃんと抑えられているし、なによりも…教える側の人間が忘れないように事細かくメモが書かれている」

「え？」

「1種類の字ということは、彼女なりに頑張ったのかな」

「いやそれは、青子の先生が貸してくれたらしい」

「…ということは、彼女の恩師はすごい人だな」

「え？」

「言い回しが難しいものを全て調べてある
調べた時のサイトまで細かく書いてあるよ…彼女も教えやすかっただろうね…」

「…………」

「ん？ここは…」

「日本語？」

「の、ようだね…彼女に電話で聞いてみるしかないね」

「…なんで連絡先知ってるんだよ」

「この間、少しね」

「……………」

俺だって連絡先交換してねぇのに