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「きょ、去年だと!?」
『シルバーウィークの
その日の晩にスパイウェアを仕込ませてもらったんだよ。おかげで色々探れたよ』
「こわっ、お前怖っ!!!」
「つ、つまり…」
『いただいた金は元々ブラックマネーだ。去年は十分の一だったから掠め取るのはもう少し溜まってからにしようと思ってね』
「…つまり、奴は多大な損害をギガントア財団に与えたことになり、釈明のためにマフィアのテーブルにつくことになったわけか」
『ビンゴ』
ワイングラスに注がれている水を飲むと、兄さんは額に手を当てて、こちらを見て「恐ろしいな…」とつぶやいた
「俺は久しぶりにお前が恐ろしくなったよ
もしこの世に悪魔ってやつがいるとしたら、そいつは青子の顔をしてるだろうな」
『死穢八斎會のことも勘ぐってきたみたいだからね…今のうちに潰せるものは潰しておこうと思ってね
あの薬が世界に出回ったら大変だし』
「なるほどな…。で？」
『兄さんにはウィリアムズ・ジョーダンベイクを捕まえるために情報を集めて欲しい
できれば、あと2日で』
「殺す気か。労働過多すぎるだろ、アホか」
『いーでしょ。誰のおかげでウィリアムズ・ジョーダンベイクを検挙できると思ってんの』
「うぐっ…つーか、お前が自分の体売るようなことしてるなんて初耳なんだよッ」
『言ってないもん』
ヤケクソでステーキをバクバクと食い始めた兄さんに答えるように、私もゆっくりとパスタを口に運んだ
「…で、マンション購入だっけ？」
『そうそう。あそこを一応の避難場所にしておくんだ
何かあった時のために、E組とA組、エリちゃんたちを置いて置けるように』
「…あくまでも、3月のためにってことか？」
『うん。日本にいたとしてもきっと危なくなる
もしものことを考えておくのも大切だし、それに…日本にいてほしくないんだ…みんなには』
「……自分のしてきたことが、みんなにバレるからか」
『……いちいちうるさいなぁ…別にいいでしょ、どうせみんな…裏切られたって顔する…』
頬杖をついて視線を切らせば、「…はいはい」と兄さんは椅子の背もたれにもたれた
『内見は済んでるから、兄さん頼んだからね』
「へいへい」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年5月8日 8時
