元殺し屋はヒーローになる18 (ページ39)

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「本題、さっさと入れ」

『はーい』

ごくんっと飲み込み、フォークを皿の上に置いてスマホ2台をテーブルの上におく

『ここ最近、殺し屋たちからの連絡が取れないのは知ってるよね？』

「あぁ」

『ロヴロさんに聞いてみても、わからないって答えられた
それで、殺し屋たちをここ最近雇っている人間がいないから調べてみたら…コイツがヒットした』

「ん？ウィリアムズ・ジョーダンベイク？」

『アメリカの資産家だよ…』

「はああ？アメリカの資産家がなぁんで殺し屋なんかを雇う？
優れたボディーガードぐらいいるだろ、金の無駄だろド派手に」

「コイツが何かあるのか？」

『…コイツのソフトにハッキングして情報をいただいたんだけど、その内容がコレ』

コトンとおいたスマホの画面には、最近のチャットの内容が書かれており内容を読んだ二人は「は？」と目を丸くした

『ウィリアムズ・ジョーダンベイクが警察を抱きこんで「私」を捜し回ってる
このままじゃ、今いるセーフティもいずれ見つかる』

「…ちょっと待て、自分の身が危険ってことがわかってるのになんで俺たちのところに戻らない？」

『バカ言わないで。あそこはロレイの大事なセーフティでもある
あそこを手放すってことは、“契約”違反ってことになる
あそこは私にとっても大切な場所で、守ることを約束したんだ。簡単に手放すことなんてできない』

「そうかもしれねぇけど」

『だから、兄さんにはセーフティハウスの近くにある高級マンションの一室の契約に行って欲しいんだ』

「んぁ？あんだと？」

『輩出てる』

大きく切り分けたステーキを食べようと大きな口を開けていた兄さんが、目つきを鋭くさせている

『まさか私が行くわけにいかないでしょ、子どもだからね』

「ちょっと待て、買うったってそんな金どこにあんだよ
いくらお前が株や投資やらで儲けていたとしても、そんなもん無理に決まっ………………あ！お前まさか、またなんかやったのか!?」

『ダイセーカイ！』

頬杖をつき、悪魔の笑みを浮かべる私に兄さんは「この、悪魔っ子め…」と冷や汗をかいて笑っている

ー某豪邸ー

「ボス！」

「！」

「たった今、ニューヨーク証券取引所から我が社の…ウェブウィリー・ナイト産業の株が今朝の寄り付きから大暴落していると」

「なに!?」