元殺し屋はヒーローになる18 (ページ37)

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10分ほど待っていると、ピコンとパソコンの画面にメールが現れた
それを開ければ「送金いたしました」の文字が入る

『…(ﾌｯ…』

「青子？」

『ふふふーーーん、青子様を騙そうったってそうはいかないんだからな…ふふーん』

「何やってんだよ…」

『さぁて、今頃じいさんはどんな顔してるのかな～』

「？」

ケケケケッと悪魔のツノと尻尾を生やしてパソコンのエンターキーを押した

『ケケケケッ…ナイムシャリーのシステムハッキングされやすいってアドバイスしてやったのにね～』

ズズズとコーヒーを飲むと、《送金完了です！》と律の最終確認が取れた

『んじゃあ、半分はアイツらの給料と自費の分で賄って…あとは適当にアフリカに流しておくか…』

《了解しました！》

『律、兄さんたち呼べる？
近くのカフェに集合って言ったらわかると思うから』

《わかりました！指定時間はございますか？》

『んー…そうだな…』

「？」

コーヒーをデスクトップに置いてベッドの上に座ってコーヒーを飲んでいるアッシュをチラリと見る
こちらを見てキョトンとしているアッシュを見て、社会のお勉強に付き合わせてあげるようと思った

『12時、3人分の予約しておけって伝えて』

《わかりました！》

ピコンッと音を立てて消えた律と同時に『さて、アッシュ・リンクス』とくるくる回る椅子から立ち上がり、ベッドに腰掛けているアッシュに近づく

鼻先がくっつくほど近づくと、アッシュは顔を赤らめてハクハクと口を動かし、綺麗なグリーンアイを見開けている

『私と社会のお勉強、したい？』

彼の答えはYESだった

『シャワー浴びて、これに着替えてね。ちゃんと髪の毛乾かすこと』

「青子、どこ行くんだ？」

『近くのカフェかな。そこでお昼ご飯食べるよ、お腹空いてる？』

「…太りたくない」

『大丈夫、あそこサラダも豊富だし、軽食には最適だから』

ぽんぽんっと兄さんが着ていた服をタンスから引っ張り出してアッシュに手渡す
天城兄さんの服はデカすぎるし、士郎兄さんのだとちょっと無理

スレンダーな隼人兄さんの服がちょうどいいだろう

30分ほどで準備ができたアッシュを連れて、予約してあるカフェへ2人で向かった