元殺し屋はヒーローになる18 (ページ34)

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『お前、治崎廻を知ってるだろ？』

「!?」

『私はその治崎廻の妹だ』

「なっ…!? じゃあ、お前があの…黒猫か!!」

『そっちに関しては黙秘するよ…』

肩をすくめて答えれば、「貴様ァ…！」と震え始める
カチャッ…と銃口を向けたまま、『さて、質問に答えてもらおう』と男を睨みつける

『兄が作った薬は今現在、アメリカにあるのか？』

「そんなもの知るか!!」

『言えよ…言った方がいいぜ？それとも、ディノ・ゴルツィネが絡んでるのか？』

「…!!!」

『…なるほど、やっぱりな』

マフィアからすれば、“個性”を持ったヒーローたちに自分たちの悪事を暴かれることが大層嫌だろう
私ならそのヒーローたちの動きを止める

『じゃあ、次の質問だ。柳沢という男を知ってるか？』

「知らん、そんな奴」

『…そうか……全部知らん顔するなら、これならどう？』

スマホを取り出してスイスイと画面を動かしてある画像を出せば、男はその写真を見て「そ、それは…!!」と目を見開いた

『これがディノ・ゴルツィネのえげつないトコ…
興奮しすぎて気づかなかった？』

「き…さ、まぁ……………!!!」

その写真は、アッシュが店で相手をさせられていた時の写真
ハッキングしてバックアップをさせてもらっていたのをスマホに転送しておいたのだ

もちろん、他の画像はパソコンに移してある

『この写真、バレたくないなら本当のことを言ってもらおうか』

男は重い口を少しずつ開けようとする
その時、男の額から鮮血が飛び出してきた

『…は』

数秒間何が起こったのか理解ができなかったが、意味を理解したその時、サイドテーブルに置かれている明かりを掴み、コードごと引き抜いた

ドクドクと流れ出る真っ赤な血を流しすでに死んでいる男を見ながら、私は乱れた息を整えながら狙ってきた方向に目を向けた

『…あのビル…？いや無理だ…遠すぎる』

あんなに遠いビルから狙撃するなんて千葉やレッドアイですらも無理だ
ましてや、あの変人銃使いの人間ですら無理だろう