元殺し屋はヒーローになる18 (ページ33)

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129話ドロボウページ33

士郎兄さんが磯貝を自家用のジェット機に送ってくれるらしく、公園で別れる

「さっきの奴は？」

『中学の友達だよ。頼りになるイケメン委員長さ』

「へぇ…あんなにギャン泣きしてたのにか？」

『触れてやるな。さーて、今日は徹夜だな』

くしゃっと前髪をかき揚げ、スマホをタプタプと操作する
あのジイさん、どんな顔するかな…

ーその日の夜ー

ランディーは遊び疲れてすでにぐっすりと眠っている
私はと言うと…

『ここ…か』

手書きのメモは少し焦ったようなミミズ文字で書かれており、目的地が書かれている
その目的地というのが、高級ホテルの11階のとある一室である

エントランスに目当ての人間の名前を出せば、快く部屋番号を教えてくれる
セキュリティに関してはあまり良いとは言えないな…

エレベーターに乗り込み、11階のボタンを押して着くのを待つ
チン、というベル音を聞きながら絨毯の敷かれた高級感のある廊下を歩き続ける

コツンコツンと少し抑えられた靴音が響き、ルームサービスを頼んだ客の部屋からボーイが出てくるのに顔を見られないようにすれ違い、ある一室の前に止まる

ｺﾝｺﾝ

控えめのドアノックをすれば、「…誰だ？」と言う声と共にチェーンロックがされているドアから豚のように太った男がこちらを見ている

「シャノアではないな？」

『彼女は急病で……代わりに行けと言われました…
私では不満ですか？』

ビッチ先生に教わった色気術で目を潤ませ、ほんのりと頬を赤く染め、ほんの少しだけ長く伸ばした前髪を無造作に流しておけば、男は警戒を解いて部屋の中に入れてくれた

腕を引かれてそのままベッドに押し倒されると、その上に跨ってくる
ゆっくりと頬に触れてくると同時に、『相変わらず青い瞳が好きだな…』と言えば、相手はビクリと体を揺らした

『この顔忘れちゃったの？薄情だな』

「お、お前は………ッ!? ロゼリア!?」

『どいてくれないか？重いよ』

太りきってしまった腹に銃口を突きつければ、男はゆっくりとどいてくれる

『…アンタのおかげで欲しい情報がたくさん手に入ったよ』

「な、に!?」