元殺し屋はヒーローになる18 (ページ28)

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『つーか、この犬…人懐っこいな…』

「飼い主に似てるのよ」

『へー、そんなに』

「バロンみたいな人ね」

『そりゃ人懐っこくなるわ』

わしゃわしゃと撫で回すと、「おお！でっけぇ！」とアッシュの仲間たちが撫で始める
アッシュはというと、目を瞬かせて黙って見ているだけ

「もーー…ランディー…」

『サファー、大丈夫？』

「大丈夫、ですけど…はぁ…」

『ははは……』

「それより、あの女の子元気なの？」

『あぁ、エリちゃん？やりたいことをたくさんやってるみたいで元気だよ』

「あら、会ってないの？」

『計画の準備中だし、関わりすぎて狙われでもしたら大変だからね
終わるまでは深い接触はやめておこうって決めたんだ』

「ふーん…」

ランディーの頭を撫で終えるとアイワーンは少し頬を膨らませた

「そういえばアンタ、もう2年でしょ？17になるんだから、何か欲しいものとかないの？」

『欲しいもの、ねぇ……………ないかな』

「あら、物欲がないわね。去年はPC2台だったじゃない」

『この間壊したけどな』

「何したのよ」

『あぁ、簡単な話…容量バグった』

「アンタの場合、何台もいるものね…じゃあ、今年はパソコンね」

『…いや、パソコンよりもさ』

「？」

『みんなの写真ちょうだいよ。いい笑顔してるやつ』

「………………」

『雄英辞めた後、それ持って頑張るからさ』

「…ちょっと待って、アンタまさか…雄英辞めた後…アタシたちも切るつもり？」

『いーや、違う仕事頼むよ。バックアップは違う人に頼んであるし』

「…アンタ、ホント…何も言わないのね…勝手な人」

『ごめんね』

「…シュヴァルがなんて言うのかしらね」

『だからこそ、アイワーンにやってもらいたいことがあるんだ』

「…？」

はふはふっと舌を出して持っていたミネラルウォータをランディーにあげれば、勢いよく飲み始める

『兄さんたちが調べてる件に深く関わっているであろう全てのヤク物から、お兄ちゃんが開発した薬、これまで発見されてきたもの全てを調べて欲しい』

「あら、随分と重労働なことを頼むのね。どれだけかかってもいいのかしら？」

『タイムリミットは3年だけね』

「あら、意地悪ね…」

『アイワーンならできるでしょ？』

「アタシの“個性”を知ってて言ってるの？
ホント、意地悪ねあなた…」