元殺し屋はヒーローになる18 (ページ22)

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「俺が崩すのはこの“世界”!! その構造そのものだ!!
目の前の小さな正義だけの感情論だけのヒーロー気取りが…俺と破無の邪魔をするな!!」

あの時、意識がないけど遠くから聞こえていた緑谷の声

「目の前の…………小さな女の子と大事な友達を、2人を救えないで」

「みんなを救けるヒーローに、なれるかよ!!!」

あの言葉を聞いて、嬉しかった
大事なことも、エリちゃんを苦しめていた張本人の妹であるにもかかわらず、緑谷は「私」を見てくれていたから

嬉しかった、救われた気がした

いや、救われたんだ

「青子…青子！」

『！』

「大丈夫か？」

『ぁ…あぁ、平気だよ…大丈夫』

持っていた本をオーバーホールで消しとばす
こんな本、あったって仕方ない

アッシュside

「え、青子？」

「あぁ…なんであんなに乱暴なんだ？」

「あーー………」

竹刀と呼ばれる何かで相手をぶっ叩きながらケケケケと悪魔のツノを生やしながら相手をする青子を見ながら聞けば、バーニングと名乗る男は苦笑いをした

「小さい頃、本当はあんな性格じゃなかったんだ
どちらかと言うと、引っ込み思案で大人しかったんだ」

「そうなのか？」

「あぁ…だけど、5歳で誘拐されてから俺たちが出会った時…光のない瞳をしていたんだ
もちろん、俺も兄さんたちも驚いたさ…誰も信じない、誰にも助けを呼ばない…心優しくおとなしい女の子が、無口で誰も信じず、世の理を全て壊そうとするんじゃないかって言うぐらいの顔つきだった

青子のことを知らない人や青子を知っても尚、彼女の魅力を感じない、粗暴だとか乱暴だとか言うけど…青子にとってそうさせられたのは、周りの環境のせいだ

生まれてきた場所がそうだったせいで、当たり前の生活や当たり前の家族との思い出はなかった
何もかもがうまくいきすぎている？当たり前じゃないか、誰よりもこうしたい、こうなってほしいと考えている青子が何度も何度も緻密な計算をして綿密に練ったからこうなっている

それさえもわからない人間は…生きている資格はないんじゃないかと俺は思っているよ」

「…(ｿﾞｸｯ」