元殺し屋はヒーローになる18 (ページ2)

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マービンが出て行ってから1時間
部下の奴もこの部屋にはいない

『…………』

ベッドのヘリにくくりつけられた縄をなんとか解きたいと思いながらも、“個性”を使って下手に調べられると厄介だから動くに動けない

『…いやなんかデジャヴ!!』

そうだよ、E組のときも攫われたじゃん、修学旅行の時
カエデちゃんと神崎ちゃん庇ったらお気に召されて攫われたんだよ
あとあれだ、夏合宿の敵連合の襲撃の時だ

『…はぁ…。私、か弱いヒロインポジじゃないんだけと…』

こんな縄、切ろうと思えば切れる
だけどそうしないのは、私が逃げたあとアッシュに手を出すかもしれないという可能性があるからだ

『……』

怖いわけじゃないけど、こう長い間待ってるのっていうのはある意味怖いよな

アッシュside

(青子…どこだ……青子!!)

ブランカと安ホテルをしらみつぶしに探していくも、青子はどこにもいなかった

「くそっ!!」

「どこにもいないね…」

どれだけ探しても青子はいなかった
マービンがよく使う安ホテルにすらいなかった

「アッシュ、他に心当たりはないのかい？」

「ねぇよ……あの豚野郎が使うのは大抵安ホテルぐらいだ」

「…車での移動となると、遠距離もあるだろうな…」

青子…頼む、無事でいてくれ

「あ？」

「！」

「…お前、確か青子と一緒にいた………そうだ！パツキン！」

「銀髪のアンタが何言ってんだよ」

2メートル近くある身長でガムを噛んで完全にオフな男は、青子が兄だと言った奴だった

「どうした、青子はうちにはいねぇぞ？」

「…え」

「ここ最近、セーフティーハウスで暮らしてるからな
今の家バレたら、襲撃されて全部おしゃかだからな」

「青子、アンタのとこにもいないのか？」

「あ？あぁ、連絡もねぇな
まあ、連絡取る時は俺じゃなくて、家の方の固定電話に」

「青子が、青子が連れてかれたんだ!!」

「……はあ？」