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『っし…これなら多少の無茶をしてもとれないだろ』
「クルッポー」
『頼むからな〜………………つーか、お前なんで鳩なの』
「それは俺も聞きたいんよね〜」
クルッポーと鳴いていた鳩がいきなり人語を喋って、アッシュはプチパニックを起こした
「いや、なんで俺っちが鳩なの!? こういうのって、グアバリャちゃんじゃない？」
『どうせ、ワナタのキッシュと紅茶で手を打ったんだろ』
「なんでバレちゃうかな!?」
バサバサと鳩から羽根が落ちていくと、同時に「大体ね!?」と猛抗議が始まる
「なんで俺なの!? たしかにキッシュにつられたけど、俺よりももっと適任な人いたよね!?
なんで俺に頼むの!? チュリャくんとかヴァモちゃんとかアカロちゃんとか！グアバリャちゃんがぴゅーんって飛べば終わりの話だったんじゃないの!?
ライアンくんとか、ロレイくんとか空飛べるじゃん!!!
なんでもうみんなして自由気ままに勝手に動くかな!!?」
ゼェーハァーと肩で息をするように疲れ果てた鳩に『もう終わった？』と聞くと「終わるわけないでしょっ!?」とブチギレられた
「大体青子ちゃんも青子ちゃんだからね!!!
こんっっっなクソ寒い時期にあっっっっつい夏みたいになってるアメリカに来て!! 俺たちの体温バッグってるし！もうわけわかんないし!!
日本で最終段階入ってるから気を抜かないって言ってた割には、サラッと誘拐されてるし!!! 痛めつけられてるし!!!
なんでそんなに気が緩み切ってんの!? っていうかていうか!! なんでこんなにアメリカ暑いの!!?」
またもゼェーハァーと肩で息をする鳩に『水飲みなよ…』とペットボトルのキャップにチョロチョロといれた水を差し出せば、ゴキュゴキュとイキのいい飲みっぷりを見せられた
「でも、なんでこんなに暑いの？」
『あぁ…この間、バーニングが“個性”暴走させちゃってしばらく暑いんだって』
「…あの大真面目なバーニングが!?」
ちょんっとベンチに座った鳩は、「でもまあ、そろそろ行くよ」とバサバサと羽根を広げた
「青子ちゃんも気をつけてね」
『そっちこそ』
「…青子ちゃん」
『ん？』
「とにかく、気をつけて」
『…わかったから、ほらさっさと行きな』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年4月16日 22時
