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《これ以上、危険なことをしなくていいんだ》
『…………』
委員長の本音が聞けた気がした
いや、今まで全部磯貝の言っていたことは本音だろう
『…ありがとう。私もみんなみたいになりたかった』
《え…？》
『もうちょっとマシな生き方ができたらと、ずっと思ってた
みんなのように、やりたいことを見つけて頑張ってみたかった』
《できる!! 今からだって遅くないだろ!!
それにお前ならなんだってできるじゃないか!!》
『………………』
《自分の可能性を知らないわけじゃないだろ？》
『……うん、そうだね』
自分の可能性…か
可能性なんて…ない
どれもこれも考えて考えて考え込んだからこそ出来上がったものであって、ここまできてしまったらもう…引き返せないんだってことはわかってる
『ねぇ、磯貝…』
《？》
『どんなことになっても、E組のみんなは私を信じてくれる？』
《な…に言ってるんだ？》
『…………………………信じて、くれる？』
E組のみんなに信じてもらえるかどうかわからない
これからどうなるかわからないところまで来てしまった
《信じるよ》
『！』
《それを青子が望むなら、俺たちは何も聞かない…
ずっとお前を信じる…約束しただろ？
俺たちは何があっても俺たちだって…お前を見捨てない、どんなことがあっても信じて待ってる》
あぁ…だめだ…
ホント、だめだ…涙腺、ゆるむ
『ほんと…っ…イケメンめ…っ』
ズビッと鼻をすすると《泣いてるのか？》とからかった声が聞こえてきた
『うっせぇ………！
あーーーーーーー、ホント…泣かせ上手な奴!!』
《やっぱり泣いてるんじゃないか》
『みんなに言っておいてよ
今度会ったら、殺せんせーの財布で美味しいもの食べに行こうって』
《あぁ！必ずな》
『うん』
“必ず”なんて言えない
ヒーローはいつ死ぬかわからない
それは学生のうちかもしれないし、来年かもしれない、10年後かもしれない
もしかすると明日かもしれない
だから
『“またね”』
《ああ、またな…》
“またね”と言うだけ
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年4月16日 22時
