元殺し屋はヒーローになる17 (ページ37)

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『オールマイトの、どこが好き？』

「どんな人でも笑顔で助けるところ!!!」

『…！』

「それから、どんなにピンチでも最後は必ず勝つんだ!!」

『…………』

この子は…緑谷がまっすぐとオールマイトを見てきたところと
爆豪が憧れたオールマイトの強さを見て、オールマイトに憧れを抱いている

誰だって抱くはずだ
平和の象徴と謳われた彼を、誰もが目指し憧れる

「お姉さんは!? オールマイトのどこが好き？」

『……………………私は』

私にとってのヒーローは…

『オールマイトも素敵だけど、私は…どんな弱いものでも感じ取れるヒーローが好きかな』

「弱いものを？」

『うん…。私にとっての、最高のヒーロー』

「どんなヒーロー!? 僕も知ってる人!?」

『…そうだなぁ…きっと知ったら驚くよ』

「気になるよ!!」

ジタバタと教えてくれと言う男の子に「こら、サラ」と父親が宥める

『そうだ』

「？」

『このバッジあげるよ』

「えっ!?」

バッグについたオールマイトの缶バッジを取り外し、男の子の服に取り付ける

「いいの!?」

『うん。私は、オールマイトに教えてもらってるからね』

「オールマイトに…教えてもらってる!?」

「え、じゃあキミは…雄英の…!?」

『はい…1年です』

「へー…！こんなところであの有名な雄英生に会うなんて」

『ハハハ…今年は雄英の話題で持ちきりでしたもんね』

服につけられたバッジを見て「ほわーー！」と叫ぶ男の子は「お姉さん！」と私を見た

「ありがとう！大切にするね!!」

嬉しそうにへにゃっと笑ったその子の笑顔が、いつの日かに見た活真に似ていた

『うん』

「僕、お姉さんみたいなヒーローになるよ！」

『私？』

「うんっ！困ってる人を助けるヒーローに!!」

『…はははっ！それは私じゃなくて…』

まっすぐと志す意味が緑谷と同じだった
それに少し笑ってしまい、男の子は「えっ」と固まってしまう

『じゃあ、頑張らないとな』

「！」

『ヒーローになるのは大変だし、親を心配させるかもしれない
だけど、キミならなれるよ。最高のヒーローに』

「～ッ!!!」

『学ぶ場所が違えど、守るものが同じならヒーローだ
頑張ろうね』

「～ッうん!!!」