元殺し屋はヒーローになる17 (ページ4)

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アッシュside

見られたくなかった

ロゼリアにだけは

クソみたいな14年の中で、初めて好きになった人に俺の汚い姿を見られたくなかった

見るなと、来るなと言ったのに
ロゼリアは近づいて俺を抱きしめてくれた

汚いと言わなかった、何もせずただ俺を抱きしめて大丈夫だと声をかけてくれた

それだけで本当に落ち着けた

何年ぶりだろう…こうして誰かに抱きしめてもらえるのは…

温かい人の温もりがじんわりと伝わってくる

怖かった、恐ろしかった、さっきまでまぜこぜになっていた感情がゆっくりと溶けていく

『落ち着いた？』

「…(ｺｸﾝ」

『動ける？シャワーを浴びたほうがいいね…体が冷え切ってる』

「あの…」

『ん？』

「……なんで、ここに」

『あの後、マービンの車の位置情報使ってここまできたの
本当はすぐに乗り込んでやりたかったんだけど…下手に動いてアッシュに何かあると嫌だったから…ごめんね…逆に辛いことをさせちゃった』

なんでお前が謝るんだよ…
お前は何も悪くないだろ…

『さ、シャワーゆっくり浴びといで
ちゃんと待ってるから』

「！」

『服も買ってきたんだ。あのおっさんが触った服なんて着たくないでしょ？』

「……あの」

『ほら、早く入る入る！』

「ロ、ロゼリア…」

『ちゃんとあったまっといでね～』

パタン、とシャワー室のドアを閉めたロゼリアは人の話を聞かずに自分のペースで押し込んできた

俺はそれが少し嬉しくて、余計なことを聞かずにいてくれて…なにより、救われた気がした

青子side

1時間してからアッシュがシャワー室から出てきた
バスローブを着て出てきたアッシュは、タオルで髪の毛を拭きながらどうすればいいのか少し戸惑っていた

『さっぱりした？ベッドの上に座れる？
一応、使ってない清潔なバスタオル敷いたから座れると思うよ』

アッシュは無言でベッドの…バスタオルの上に座り、顔をこわばらせていた

『お茶飲む？
ブランカが自販機で買ってきたんだけど
あ、毒入ってないから。私、毒見したから』

「毒を入れる意味がないと思うんだけどなぁ…」