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「アイツ、何があったんだよ」
「………」
「聞いたところで、てめェがどうこうできるような話じゃねぇよ」
ピンッと指で額を弾いてきた男は、「だが、これだけは覚えとけガキ」と顔だけ振り返っていた
「てめェがアイツの何になりたいのかは知らねェが、アイツの“全て”が知りてェならそれ相応の覚悟を持つことだな」
「どういうことだよ」
「アイツの過去全て知ったら、てめェのアイツに対する気持ちが変わるってことだよ」
「………」
「まあ、アイツが自分の過去を話すことなんてねぇがな…知らなくてもいいこともあるってこと、知っておいた方がアイツのためでもある」
「…？」
「……アイツの故郷はな」
ソイツの口から発せられた言葉は、耳を疑うものだった
「アイツの故郷はな、てめェと同じ“ケープコッド”だぜ」
「よかったんスか？青子も知らないのに」
「いいんだよ…どうせアイツは、雄英を卒業したらあの坊主を助けるためにまたアメリカに渡る」
「なんでそんな確信めいてるんスか」
「見りゃわかんだろ。アイツのあの細すぎる手首見りゃ」
「…どう見ても、男達にいいようにされてるお姫様っスね」
「そんな奴がいて、知らないフリができるほどアイツは人の心が廃れちゃいねぇだろ」
「たしかに…誰彼構わず助けるっスもんね…青子は」
「そういう素直バカは、早死にするんだよ」
「そうなったら、俺たちどうなるんスかね…俺たち全員、青子のおかげで生きてこれたのに…
もし、青子が死んだりしたら俺たち…すぐにでも監獄行きっスよ」
「…そうならねぇように、実績積むんだろうが。わかったらさっさとやれ」
「はいっス!!」
俺と同じ…ケープコッド出身？
でもアイツは、日本育ちで……どうなってるんだ
今の俺では、青子の全てを知る術はなくただただ、知らされた事実に驚くしかない
青子side
「おい、大丈夫か？」
『…え？』
「次は胴回りだが…」
『あ、あぁ、ごめん』
ぼーっとしていたのがウズヌにバレてしまい、慌てて腕を上げて測りやすくする
「珍しいな、青子がぼーっとするなんて」
「まったくだ…何かあったのか？」
『…いや、知り合いの子になんかきつくあたったなって』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年4月16日 22時
