1話 家の時間 ページ7
下駄箱で靴を履き替えてとんとんっとつま先を鳴らしながらパタパタと走る
「ちょっと、あの人誰?」
「めっちゃイケメン…」
「え、連絡先聞いたら教えてくれるかな…」
正門に女の子がワラワラと集まっており、その原因が何なのか一目でわかった
この中を突っ込んでいくのは流石に気が引けるな…と思いながらも、そのまま足を進めていく
『お兄ちゃん』
「!(パアアアッ!」
私を見つけるや否や、相手は「澪緒〜!!!」と目をキラキラさせて駆け寄ってくる
清楚系の学校のブレザーに身を包み、爽やかな笑顔で駆け寄ってくるたびに周りの女の子がキャー!と騒ぎ立てる
『迎えに来なくてもよかったのに』
「澪緒に会いたかったからいいの!! スーパー行こっ」
『うん』
嬉しそうに笑うお兄ちゃんと一緒にスーパーへ向かう
今日の晩ご飯は何にするか2人で考えながら食材をカゴの中に詰め込んでいく
「引越しの挨拶はもう済ませてあるし、片付けも終わってるし、快適な学校生活が始まりそうだね〜」
『お兄ちゃんは友達できた?』
「まーねっ!兄ちゃんは部活も入る!」
『やっぱり、サッカー?』
「そっ!」
ネットに入れられたサッカーボールをポンッと持ったお兄ちゃんは、「俺はワールドカップに出るんだ!そのためには努力を惜しまないよ!」と微笑んだ
「澪緒は新しい学校で友達できた?」
『うん』
「そっか〜。兄ちゃん、安心した」
ふふふーんと笑っているお兄ちゃんと並んで家へ向かう
「あ、兄ちゃーん、姉ちゃーん」
「おー、紡宮。お前も帰り?」
「うん」
『紡宮は学校どうだった?』
「いい奴、いっぱいいた。部活も入るし帰り遅くなると思う」
「お前はバレーだもんねー。澪緒は興味ないの?」
『んー…2人の応援に行きたいし、私はいいかな』
「俺、なんか今まで自分の行いを猛烈に反省したい気がする」
「俺も…」
『?』
2人とも、なぜか頭を抱え始めた
私だけわかっておらず、2人は「そのままでいて」と言ってきた
よくわからないけど、2人の大会には必ず行きます
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時